通算して10作目になる九鬼の『隣人』では原田ひかる、衣さよこといったメンバーと共演。カラミにおいても演技においてもトップクラスのAVギャルとなる。

 そして93年10月23日に発売された九鬼の新しい試みザッピングAV『極姦』では高倉みなみ、高野ひとみと三姉妹という設定で出演。この頃からデジタル方面に力を入れていた九鬼は、このタイトルで3本のビデオを同時発売した。
どれも『極姦』というタイトルなのだが、それぞれ主演女優が違っているのである。
高倉みなみを長女に、高野ひとみを三女という設定で観月マリは次女だった。
ストーリーも同じなのだが、それぞれの視点で展開。カラミは主演になるコが披露する。
時間を合わせれば主人公を変えながら一つのストーリーを楽しめるというアイデアだった。
ビデオデッキを3台もっていれば、さぞかし面白かっただろう。

『極姦』がリリースされる頃になると、すでに観月マリもデビューから1年が経過していた。

それまでにもマックスエーの『監禁ボディドール』や軽めのSMプレイなどハードなシーンのある作品が多くなった。
いくら根っから、ダイナミックな本番シーンができるAVギャルでも普通のカラミだけで1年以上も続けるのは無理である。
観月マリのようなアイドルといっても、ブリブリのロリータ路線ではなく、淫乱派とまでは呼ばないまでも、ハードコア路線寄りに属していれば致し方ないことだ。
実際、ルックス面でも可愛さよりも艶っぽさ、色っぽさをアピールするタイプだった。
肉感的なボディは、どうしても太りやすい体質でもあった。
前出の『ウレッコ』のインタビューでも自ら『デブ』と言って笑いを取っていた。
作品によってコンデションが違うな。ということが気になり出したのも、この頃だった。