その後は裏本、裏ビデオの世界からオーバーグランドな活躍をした菊池エリが登場した。

 時代はピンク映画からAVへと移行し、裸っ子組の冴島奈緒なども巨乳で人気を博した。これらの面々が松坂以前の巨乳ギャルの遍歴である。
 しかしこれらのメンツの中でも、バスト1メートルという大きさは真咲乱のみ。D、Eカップでバスト90センチ代で超デカパイ扱いされていたのである。
 松坂季実子はバスト1メートル10センチ、まさに驚異のGカップ。
 それまでの巨乳ギャルとは格が違うという印象を与えた。
 89年2月、『でっかいの、めっけ!』でデビュー。沢城昭彦監督によるドキュメントタッチの本番ビデオだ。
 まだオッパイ星人なんて言葉こそ生まれていなかったが、いわゆる巨乳マニアの注目を一気に集めた。
 デビュー作発売と同時にTV、写真週刊誌を始めとした村西社長のメディア戦略は、まんまと成功したのである。

   


 ちなみに『でっかいの、めっけ!』は彼女が短大卒業間近に撮られ、4月からはOLをやる予定だったらしい。
 しかしスチル写真を写真週刊誌に掲載されてしまい両親に勘当され、AV界へと身を投じたというエピソードがある。
 今となっては確かめようもないが、どうも村西社長が仕組んだ出来試合のような臭いがプンプンと漂う。
 現在でもギルガメ効果などと売れるAVギャルはTV出演すると言われるが、当時もTV番組の効果は絶大だった。
 当時の彼女のコメントを思い起こすと、AV出演したために人生がいい方向に変わったというニュアンスが多かった。
 素人時代は、その人並み外れた巨乳は恥ずかしくてコンプレックスでしかなかったが、AV出演したために皆が喜ぶ。
 「もし、AVと出会わなかった、私は今でも、このオッパイを恥ずかしく思っていたでしょう」
 いかにも村西とおる社長らしいマインドコントロールではあるが、 当の松坂季実子の堂々とした態度は気持ちよかった。