見るも無残な崩壊ぶりを披露したとはいえ、村西とおる監督は類いまれな才覚を持った策士であった。

  クリスタル映像からAVの金字塔『SMっぽいの好き』をリリース。主演の黒木香は、その後村西監督が旗揚げしたダイヤモンド映像のエース的な存在と思わせた。
 ただし、黒木が単体でダイヤモンドからリリースしたタイトルは実はないのである。  そういう意味も含めてダイヤモンド映像の真のエースは誰だったか? という疑問が生まれる。
 筆者は、それは松坂季実子だったと断言したい。
 巨乳ブームの第一期は70年代末期、日活ロマンポルノ時代の中村京子、南モモコ時代だっただろう。
 当時、巨乳の定義はDカップ以上といわれたが、まずDカップの女の子というだけで希少価値はあった。
 80年代になると真咲乱デビュー。日本初のバスト1メートルという素材ではあったが、しょせんSMの世界の人気者であった。