Trance Mix Diary

Hiro Sugiyama

第一回『流れ星の降る日』

第2部

 実は、K氏は20数年前、臨死体験をしているのである。20歳の時、K氏は原因不明の病気で入院した。その後危篤状態となり、心臓が停止し、肉体的に死亡した状態となった。そのとたん、寝ている自分を見ている自分がいたという。看護婦は、自分の体に心臓マッサージをし、両親は自分の名前を呼んでいた。K氏は、自分の過去と未来を見て、三途の川らしき所を見たと言う。と、ここまでは、良く聞く臨死体験話であるが、K氏のすごい所はこの先である。
 自分の過去未来時間軸に関係なく、思った次の瞬間に自分がその時空間へ行けるのだ。5歳の時の事を考えれば、次の瞬間、目の前には自分の5歳の時の場面が現れ、又現時点の友達の事を思うと次には、友達の所へ自分が移動しているのである。

 彼ら(友人など)の話などは、すべて聞こえ、姿もちゃんと見えているのだが、彼らに触ろうとしても触ることは出来ず、向こうからは自分の事はまったく見えないらしい。そのような時間軸の移動を楽しんだK氏は、次に意識のしくみを見たと言う。いわゆる「アカシック・レコード」というヤツである。K氏は、それを「膨大なる意識」と呼んでいる。それは、まるでスーパーコンピュータインターネットの様に、すべての人間の意識はそこにつながっていた。「膨大なる意識」の中には、この世で起りうるすべての事が存在し、すべての答えがあったと言う。人々は、そこにアクセスすれば、どんな答えも得る事ができるのに、そのアクセスラインは、ある一部の人を除いてみんな閉じているという。


第3部へ続く