top menu | yaya's portrait
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 たとえば、ふと何気なく夜空を見上げ、目に入る月の光。無限に広がる漆黒の中で、月だけが、青白く妖しい光で辺りを照らしている──。 「自分でつけた」というその名前は、単なる言葉遊びではないだろう、光月夜也をたとえて言うなら「青空に輝く太陽」よりも、まさに「夜空に光る月」。冷たく張りつめた夜の空気、青い月光のイメージ。
 あるいは、捕らえどころのない危うさ。近寄りがたいほどクールな横顔を見せたかと思うと、次の瞬間、ふっと優しい笑顔になる。気位の高い貴婦人風でありながら、こちらの言葉に素直に応じてくれそうな、期待も抱かせる。夜ごとに満ち欠けて姿を変える月のように、光月夜也という女は、一つの枠には収まりきらない。

 あまり口数の多い方ではない。撮影現場でも一人静かに出番を待っている、そんなタイプだ。必要以上に周囲に溶け込もうとしたり、無闇に他人を受け入れはせず、見えないガラスの扉で、少し距離を置く。たぶん、それが彼女の人との関わり方。捉えどころのなさや近寄りがたい雰囲気はそこから生まれ、だからこそ知りたい、近づいてみたいと、彼女を見る者は思うのだろう。 謎めいている。光月夜也をこう表現する人は多いはずだ。けれど彼女自身は、デビュー以来の1年間、何も変わってはいない。特に、仕事に対してはこれまでずっと真剣に取り組んできた。撮影となれば、頭の中にはセリフが完璧にインプットされてい るし、時間にも正確。遅刻などもちろんしないどころか、毎回約束の30分前には、現場に来ているのだという。
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