現在市販されているパソコンであれば、それなりのグラフィック・ボードやチップ・セットやそれを駆動するルーチンを積んでいる。
マッキントッシュには、かなり初期から、「ハイパーカード」の作者であるビル・アトキンソンが開発した「QuickDraw」というソフトウェア・ルーチンが組み込まれていて、これが有名だった。そういう意味から、マッキントッシュは他のOSと比べて、ソフトウェアっぽいマシンであり、例えば、以前はものすごく動作が遅かった「QuickTime」でも、それがソフトウェアで動作していることがキーポイントとなっている。
アミガでは、AGAチップをはじめとして、むしろハードウェアの性能を極限まで引き出すというアプローチが主流と言ってもいいだろう。フロッピーディスクのシーク音でリズムをとるなどといった工夫までされていた特殊なマシンでもある。
3Dグラフィックがブームの現在、マッキントッシュは「QuickDraw 3D」、Windowsは「OPEN GL」などの3Dルーチンを導入している。Windowsは、95やNTから、色の表示などが以前とはうって変わって美しくなったが、そうなってからの年月が浅いのと、互換機が大多数のシェアを占めていたため、グラフィック・チップもバリエーションに富み、95やNTの出現までは、グラフィックの歴史が停止状態にあったのかもしれない。