
地方都市の旧家平山家には長男で医者の幸一と妻の文子、次男昌二と妻紀子、長女滋子に次女京子らが居たが、両親と昌二は既に死亡し、滋子には新興宗教の教祖と称する沼田という恋人がいる。幸一は落雷で感電死し、幽体離脱で霊界へ旅立った。そしてこの世とあの世の奇妙な出来事が続出して……。
瀬々敬久の脚本を深町章が監督した痛快コメディ。豪華キャストによる笑いと涙のエロス作品である。

平山家はお盆で親戚たちが集まっている。まず本家で医者をしている長男の幸一と妻の文子。長女の滋子は離婚して今は沼田という恋人がいる。沼田は新興宗教の教祖である。それに、病死した次男昌二の未亡人紀子。滋子と沼田、紀子の三人は墓参のため東京から来たのだ。次女京子はまだ着いていなかった。
一同は本家の幸一宅に集まり、ささやかな酒宴をひらいた。隣室から太鼓と怪し気な呪文が聞こえるので文子が覗くと沼田と滋子がセックスの真っ最中。それを見た文子はコーフンしてオナニーをはじめた。沼田の呪文には催眠効果もあるのだ。
外が真ッ暗になり雷が鳴りはじめた。脅えた紀子は思わず幸一に抱きついたが、すぐに文子を呼びに起ち、二人が戻ると幸一は死んでいた。落雷のせいらしかったが、彼は霊になって気がつくと自分の死体を囲んで悲しんでいる肉親たちを見おろしていた。沼田は文子を別の部屋に誘って、この家にいる邪霊を退治してやるからと祈祷をはじめた。文子は催眠術にかかってオナニーを始め、沼田はホンバンを挑んだ。幸一は気を失った。
いつしか幸一は庭に倒れていた。起きあがり家に入ると、迎えたのは父の周吉と母のとみ。死んだ年のままの若さである。両親は幸一をピールだ食事だともてなし、次男の昌二と霊界での妻節子も顔をだした。植木職だった父と小町娘と言われた母は、夜は新婚のようにセックスをしている。ガンで死んだ筈の昌二も若く、節子を愛撫している。節子は現世で昌二に紀子という妻のいたことを嫉妬したが、彼の愛情には満足していた。
幸一は昌二からそこが実はあの世だと知らされ驚いた。言われてみれば賽の河原も三途の川もある。三途の川を覗きこむと、平山家が見えた。白布をかけられた幸一の死体があり、通夜が行われていた。東京から妹の京子が帰ってきて、幸一の死を知ると泣きだした。沼田は財産分与の話を持ちだした。彼は新興宗教の本山を建てるために幸一の残した土地を狙っていた。
賽の河原の露天風呂に入った幸一がのんびり汗を流していると幸一の恋人で死んだ筈の百合子が現れた。二人は結婚の約束までした仲だったので改めて求婚すると、彼女はこちらへ来てから結婚したと告白。不倫をすればお釈迦様の罰を受けて地獄に落とされると断わられた。だが幸一は我慢できず彼女を抱いてしまった。翌日、幸一はお釈迦様から呼び出しを受けた。お釈迦様はなぜか沼田とそっくりだった。そしてエンマ庁の手違いで自分の子孫の沼田を呼ぶ筈だったところを間違って幸一を呼んでしまったと告白した。お釈迦様に促されて酒を入れた大盃を覗いてみると平山家の一室が見えた。そこでは沼田と文子、滋子、京子の四人がセックスにおぼれていた。沼田が土地の件を頼むというと文子は催眠術にかかって「はい」と返事をしている。幸一は必死にやめさせようと叫んだ。
そして幸一は奏の河原を去ることになった。周吉やとみ、昌二、節子、百合子が名残り惜しそうに見送ってくれた。この世では死んだはずの幸一が生き返ったので告別式の準備をしていた滋子や文子、紀子、京子は驚いた。続いて沼田が交通事故で死んだ知らせが入った。幸一は複雑な思いで考え込んだ。事件が一段落して、紀子は幸一への愛を告白した。二人は一度っきりの関係に燃えたが、紀子は新たな人生を踏み出すことを約束し、東京へ帰っていった。平山家にまたいつもの日常が戻った。