橋村　陽子…………北　村　美　加
橋村　ルミ…………秋　本　ちえみ
村井　　薫…………徳大寺　笙　子
小多魔若史…………小多魔　若　史
鼻輪　一矢…………石　部　金　吉
池端　啓二…………山　崎　邦　紀
入院患者……………斎　藤　　　修
夢の中の男…………池　島　ゆたか

監　督…………浜　野　佐　知
脚　本…………山　崎　邦　紀
撮　影…………稲　吉　雅　志
照　明…………出　雲　静　二
音　楽…………東　上　　　千
編　集…………金　子　編集室

　エロ漫画を描いている小多魔の助手鼻輪は絵は下手だし仕事も遅い。その彼には制服の女を見ると欲情するという奇癖がある。彼は婦人警官の陽子に憧れていた。陽子の妹ルミは看護婦。ある日小多魔は病院の屋上でルミと患者のセックスを目撃し、鼻輪は陽子とルミがレズごっこをしているのを見て……。
　山崎邦紀の脚本を浜野佐知がド迫力の欲情タッチで演出。劇画界を舞台に歪んだ愛のかたちを描いた異色作だ。北村美加、秋本ちえみ 徳大寺笙子らが競演している。


　エロ劇画作家の小多魔はアシスタントの鼻輪を使って仕事をしているが、鼻輪は仕事は遅いし絵もへタ。念入りに描くのは女性の秘所だけという変な奴である。編集者の池畑が原稿を取りに来たが鼻輪の絵はまだ仕上がっていなかった。彼は制服の女を見ると興奮する変態で、なかでも婦人警官の制服姿を見ると逆上するという奇妙な性癖があった。
婦警の陽子は看謹婦の妹ルミと共同生活をしている。勤務中の陽子は真面目そのものだが、家に帰るとエロ劇画の愛読者である。その中には小多魔の痴漢ものもあった。陽子が劇画に刺激されて妄想にふけっているとき、ルミは鼻歌まじりで入浴していた。そっと窓が開いてビデオカメラが覗いたがルミは気づかなかった。盗撮者は小多魔と池畑である。池畑は干してあったルミのパンティを盗んでしっかり握りしめていた。
　小多魔はある日、街でルミを見かけて尾行した。そして病院に入るのを見て初めて看護婦だと気づいた。白衣の彼女が患者を車椅子に乗せて屋上に行ったので後をつけると彼女は患者から金を受け取ってセックスをはじめた。
　そのころ鼻輪は制服の陽子が戸別訪問しているのを見て話しかけようとしたが、相手が警官なので勇気がでなかった。
鼻輪は池端と一緒に、いつも行くハンバーカーショップで軽い食事をした。ここの従業員の女性はみんな制服姿で、なかでもバイトの薫はかわいかった。その薫に街で声をかけられたが、鼻輪には誰だか判らなかった。彼女がセーラー服を着ていたからである。三万円くれればつき合ってやるというので一瞬驚いたが、承知すると薫は彼の手をとってラブホテルヘ向った。薫はホテルの部屋に入ると慣れた様子で服を脱いで風呂に飛びこんだ。そして乞われるままに素肌にセーラー服を着て前金を要求した。
金を渡した鼻輪は彼女の足をなめ回し、抱きあげてべッドに運ぶとセーラー服のスカートに顔をうずめて愛撫した。セックスがおわると薫はすぐ眠ってしまったので、鼻輪は彼女のむき出しの腰にスクリーントーンで悪戯をした。秘所にトーンを貼りつけるとザーメンが流れだしたので、彼はそれを眺めながらオナニーをはじめた。朝になって薫はセーラー服がシワだらけになったと怒ったが、鼻輪が洗濯代として幾枚かの千円札を渡すと「アリガト」と言って明るく笑った。
　陽子はある夜、土方に変装してルミの帰りを待っていた。そしてルミが戻ってくると躍りかかり強姦するように押し倒した。ルミは悲鳴をあげて抵抗したが、相手が陽子だと気づいて唖然とした。陽子は紙袋からさまざまなバイブを取り出してルミの前に並べて見せた。二人はキャッキャッと声をあげながらバイブを使って奇妙なレズごっこをはじめた。窓の外でその様子を覗き見している男がいた。鼻輪である。制服の陽子に憧れていた彼は、意外な彼女の姿を見て涙がこみあげてきた。彼の手には干してあったルミの白衣が握られていた。
　鼻輪を落胆させる事件がもう一つあった。苦労してやっと仕上げたオリジナルの劇画が池端にボツの宣言をされてしまったのだ。夢も希望も消えてしまった鼻輪はルミの白衣をまとい手には花柄のパンティを持って街をさまよい、駐車違反のチェックをしている陽子を見つけると近づいていった。そして彼女の前に両手をだして「ポク、痴漢です。逮捕してください」と言ったが、陽子は相手にしなかった。それでもあきらめない彼はなおも陽子の後をつけると彼女の目の前にパンティを差しだした。なんのことかわからずジッと見つめる陽子の視線に鼻輪は恥しくなってうなだれた。しかし彼の靴の先にはちいさな鏡が取付けてあって、そこには陽子が身に付けたパンティがはっきり写っていた。鼻輪はうれしそうに笑いを浮かべた。