広末あいり……青井みずき
飯島えみり……杉原みさお
相川和也……頂哲夫
松本博士……平岡きみたけ
江沢陽一……杉本まこと
広末純子……扇まや


監督……深町章
脚本……岡輝男
撮影……稲吉雅志
照明……伊和手健
編　集……酒井正次
録　音……シネ・キャビン
助監督……榎本敏郎
現　像……東映ラボテック

　　

真面目な女子高生あいりには親しい同級生がいる。えみりや甲子園を目指す野球少年の和也君、発明に関心のある博士君たちだ。和也君は憧れの甲子園へ行くことになったが、残念なことに補欠なのでグラウンドに立つのはむずかしい。博士君は飲むと外見は変わらないが中身は他の人と入れ替ってしまうという不思議な薬品を、失敗を重ねたすえにようやく完成させた。しかしその解毒剤はまだ出来ていない。それは一見コーラに似ているので誤って飲んだ人達は……。 岡輝男の脚本を深町章が監督したこの作品は男女高校生とその親たちのインランな私生活をあばいたショック作だ。青井みずき、杉原みさお、扇まや、項哲夫、平岡きみたけ、杉本まことらが出演している 女子高生の飯島えみりは同級生の友人広末あいりの家を訪れた。二人の話はあいりの憧札の同級生相川和也とえみりのボーイフレンド松本博士のこと。博士は発明に強い関心のある若者である。相川は野球一筋で勉強もそこそこなので女の子にモテモテ。甲子園に行くことになっている。だが補欠なので試合に出られるかどうか……。
あいりの家を訪れたえみりは、鞄からコーラのボトルを出し、これを飲んだ人は外見はそのままだが中身は他の誰かと入れ変わる不思議な飲み物で、博士君の発明だと言った。ボトルは二本あった。二人はボトルを居間に置いたまま二階のあいりの部屋へ行った。そして、えみりはあいりの初恋の相川が明日甲子園へ行ってしまうので、その前に愛の告白をするようにすすめたが、あいりの態度はハッキリしなかった。居間を片付けにいったあいりの母純子はテーブルにあったコーラのボトルを見つけ、まだ残っているのを一口飲んだ。その瞬問、純子は頭がクラクラしてそのまま倒れてしまった。二階でその物音を聞いたあいりとえみりは不審に思って下へ降りてきたが、純子が倒れているのを見て駆け寄った。傍には中身が少し残っているコーラのボトルがある。博士君の言ったことが真実なら、これを飲んだ者は外見はそのままだが中身は他の者と入れ替ってしまうという……。あいりは純子を抱き起こして何度も煩を打った。純子はやがてうっすらと目をひらいた。そして、叫んだ。「私がいる……私の前に私がいる！」博士君の発明の飲み物が効果を発揮したのだが、実はこの薬の解毒剤はまだ研究中で完成していない。だから純子を元の純子に戻すことは不可能なのだ。
この事件以来、外見は母の純子で中身は娘のあいりとなった彼女の行動は世にも不思議なものだった。まず若い男に関心をもつようになった。その男とは、相川君。野球少年の彼は、あいりの憧れの同級生だ。服装も若い女性のように派手になった。
相川君は近くの小公園で独りボールを宙へ投げてはキャッチしていた。あいりになりすました純子は声をかけて相川君をベンチに誘った。相川君も彼女をあいりと信じてしまい、彼女への愛を告白した。純子は彼をあいりの部屋へ誘ってベッドに押し倒した。童貞の彼は純子のテクニックに圧倒され、清純と信じていたあいりに裏切られたように感じたが、ボッキしたイチモツを刺激され、愛液を発射し果てた。初体験の彼は純子の服を脱がして乳房を荒々しく愛撫するとペニスをヴァギナに突き立てて律動を繰り返した。あいりは激痛に声をあげて彼を突き離した。彼女の内股に血が流れた。
博士君は部屋で探し物をしていた。自分が発明した人間の中身を変えてしまうアノ薬がいくら探しても見つからないのだ。そこへ訪ねてきたえみりは、その様子を目てすぐ何を探しているのか気づき、笑みを浮かべた。博士君はすぐ彼女が盗みだして使ったことに気づいてハッとした。アレを実際に使えばどういうことになるか……？
母の純子に変身した娘のあいりは家で母の帰りを待っていた。ドアのベルが鳴った。ドアを開けると、勢いよく入ってきたのは母の愛人の陽一だった。陽一は彼女を純子と信じて抱きしめ、長いキスをすると結婚を申し込んだ。そして意外なことを話した。実はあいりは純子の本当の娘ではなく養女なのだが、それもあいりの幸せを願ってしたことなのでその事実をオトナになった彼女に知らせた方がいいのでは、という話だった。
陽一が帰ったあと家に戻ってきた本当の純子も彼と同じ考えだった。博士君が発明した人間を変える薬はいろいろ騒動を起こしたが、それを元に戻す解毒剤がようやく完成した。奇妙に変身した被害者たちも、この解毒剤で本来の人間の姿を取り戻すことになったのだった。