三井霧子……林　田　ちなみ
花江…………風　見　怜　香
雪子…………三　橋　里　絵
月美…………青　井　みずき
中込範夫……杉　本　まこと
浦野丈太郎…池　島　ゆたか

監　督……深　町　　　章
企　画……中　田　新太郎
脚　本……双　美　　　零
撮　影……稲　吉　雅　志
編　集……酒　井　正　次
録　音……シネ・キャビン
助監督……榎　本　敏　郎
現　像……東映ラボテック
スチール…津　田　一　朗

双美零の脚本を深町章が監督したこのドラマは、一夫多妻の奇妙な痴漢夫婦と一組の婚約カップルの欲情を描いた一風変わったお色気映画。林田ちなみ、風見怜香、三橋里絵、青井みずきのほか杉本まこと、池島ゆたか等が競艶している。
　来年の春には結婚する予定の霧子と中込範夫はコンドームを使って激しく交合していた。霧子が絶項に達しようとしたとき、範夫の携帯電語が鳴ったので、惜しくも中断。範夫の友人松岡から出店の十周年記念パーティの打合せにすぐ来てほしい、というのだ。範夫は慌てて服を着ると出て行った。
朝、満員電車に揺られていた霧子が範夫との情事を思い出していると、彼女の尻を誰かが撫で回しはじめた。痴漢だ。息を殺していたが甘い吐息がもれた。指がスカートをめくり秘所のあたりをまさぐっている。その手をつかんで振り向きにらんだ。意外にも相手は女だった。女花江は笑いながら手を握った。背中から手が伸びてきて胸をモミモミした。男の手だ。男浦野丈太郎と花江が交替で愛撫するので霧子は絶項に達してしまった。
しばらくして、丈太郎と花江が近くの公園で霧子の乳房や性感度のことなど話していると、当の霧子が駆け寄ってきて奇妙な二人の関係を尋ねた。二人は同時に「夫婦だよ」と答えて霧子を驚かせた。霧子は納得できないので、そのまま二人について丈太郎の家まで行ってしまった。そこで夫婦は激しいセックスに没入したので、霧子も我慢できずオナニーをはじめた。
翌日、霧子はまた満員電車の中で丈太郎に秘所を愛撫され、後ろからの手が伸びてきたので「奥さん、やめて!」と振り向いたが、女は花江ではなく別の女雪子だった。丈太郎は雪子も妻だと紹介した。雪子も彼の妻だと言っている。そして、正確に言えば雪子は猟犬だと丈太郎は言った。丈太郎にとって痴漢とは女狩りの猟なのだ。丈太郎と雪子は霧子の前で平然とセックスをはじめたので呆然としていると、若い女が顔を出し、それを見ながらオナニーをはじめた。丈太郎は若い女を娘の月美で、雪子の連れ子だと紹介した。霧子は三人の狂態にただ驚くばかりだった。
夕暮れ。誰も信じられなくなった霧子は婚約者の範夫に「死んでしまいたい」と電話をして歩道橋の上に立っていた。電話を受けた範夫は驚いて駆けつけた。彼に抱きついた霧子は、朝まで一緒にいてと涙ぐんだ。そして範夫の部屋にいき、激しく彼の体を求めたので、二人はベッドで絡み合い時間がたつのも忘れてカイラクにおぼた。
翌朝。ラッシュアワーの電車の中で、範夫は情事の疲れでアクビばかりしていた。隣にいる霧子はまだ昨夜の情事の名残りで目をギラギラ輝かせていた。ふと気がつくと、目の前に若い女が立っている。月美である。「痴漢しよう」範夫は反対したが、霧子は月美の後ろにピッタリつくと股問に手を伸ばした。手が月美の内股をゆっくりと這い回る。月美は手が股間を撫でると我慢できずに喘いだ。それを見ていた範夫もオズオズと手を伸ばした。月美はそれを拒むでもなく、痴漢されるのを楽しんでいるようだった。
昼休みに範夫がビルから出てくると、月美が彼の前に現われた。驚いて物陰に連れ込んで昨日のことを謝ると、彼女は耳元に唇を寄せて「ワン!」と吠えた。
夜。ラッシュの満員電車で霧子は、朝出勤の車内で範夫と月美を痴漢したことをぼんやり思い出していた。すると、その月美が脇から声をかけた。そして「あんたはもう私たちの仲間だから……」とオソロシイ誘いをかけた。オソロシイこととは霧子も丈太郎の妻になって一緒に犬をやろう、ということだった。霧子の心は動揺した。丈太郎は範夫よりも刺激的で魅力のあるオトコだからだ。
そればかりではない。朝の車中で範夫と組んで月美を痴漢したが、実は月美が範夫の痴漢でカイカンにおぼれていたことを月美から知らされて無性に腹が立ってきた。だが範夫の友人村岡の店の十周年パーティーを兼ねて範夫が霧子との結婚披露パーティーをするという話を聞いて、彼女の心はなごんだ。範夫は、いつも誰かが遊びに来てくれるあたたかい家庭を作ろう、とも言っている。二人は熱いくちづけをした。
そして、結婚して一年……すっかり若奥様になった霧子は、丈太郎の誘惑にも負けなかった。そして、家にはいつも範夫の友人が来て明るく賑やかだった。その夜もみんな陽気に飲んで酔いつぶれていた。トイレから戻った友人の一人がノーブラでセクシーな霧子の姿に欲情して抱きしめた。彼女の表情がナニカを求めているようにコーフンして……。