有藤紀美子……水原かなえ
有藤和良……しのざきさとみ
井野尚輝……牧村耕次
相原まりよ……葉山枝折
明日香……吉行由実
倉持……中田新太郎


監督……新田栄
脚　本……岡輝男
撮　影……千葉幸男
照　明……渡波洋行
編集……酒井正次
助監督……広瀬寛巳
現　像……東映ラボテック

　　

　紀美子は高校の養護教諭でいつも保健室で生徒の健康管理に当たっている。和良ももとは同じ高校の教師だったが、今は夫婦仲は冷たくなっている。授業をサボッていつも保健室で昼寝をしているのは相原まりよ。彼女は夜はイメクラでバイトをしている。紀美子は体育教師の尚樹と愛し合い、体も許すようになった。それを知ったまりよは……。
　岡輝男の脚本を新田栄が監督したこの作品は、高校教師の表の顔と裏の顔を赤裸々に暴露した異色ドラマ。仲山みゆき、葉山折枝、吉行由美のほか清水大敬、牧村耕次らが出演している
　有藤紀美子は高校の養護教論である。夫の和良も同じ高校の数学教師だったが今は近くの学校に転任している。二人の夫婦仲は冷たくなっていた。紀美子がいる保健室に常連のように休みに来ているのは相原まりよである。そんな彼女を叱りつけて保健室から追い出すのは体育教師の井野尚輝だ。もっとも彼が時々保健室に来るのは紀美子を愛しているからである。彼が体育の授業で太股に怪我をしたので紀美子は手当をしてやった。
　　放課後、尚輝は傷の手当てしてもらったお礼に紀美子を食事に誘った。二人は飲み屋でビールを飲みながら話し込んだ。尚輝の妻は彼より収入が多く帰りも遅いので家事はほとんど自分がしている。夫婦の交流も少ないと愚痴った。夫婦のあいだが冷めているのは紀美子も同じだった。彼女は先に店を出た。残された尚輝は彼女の□紅が残っているグラスでビールを飲んだ。
　　紀美子が帰宅すると和良はまだ帰っていなかった。安心した彼女は酒の匂いを消すために歯を磨き、夕食の支度にとりかかった。明日の学校の下準備をしながらウトウトしていると電話のべルが鳴った。電話は和良の母からだった。母は彼がまだ帰っていないと知ると紀美子を口汚く罵った。
　　地学の教師倉持の授業は生徒たちに人気がない。うんざりしたまりよは、突然手をあげると腹が痛いから保健室に行くと言って教室を出ていった。まりよが保健室の前を通り過ぎようとすると、中から男と女の明るい笑い声がした。そっとドアを開けて覗いてみると、中では紀美子と尚輝が親しそうに話し合っている。紀美子の耳には小さなイヤリングが揺れている。尚輝にもらったのかもしれない。いいところを見たと、まりよは内心ほくそ笑んだ。
　　まりよは道を走り、公衆トイレに入るとセーラー服から私服に着替えた。そして急ぎ足で行つたのはイメクラである。先にきていたのは紀美子の夫和良の教え子明日香である。明日香は煙草を吸いながらエロ雑誌を見ていた。そしてまりよを見ると今来ている客は彼女のお得意さんだが、しつこいので代ってほしいと頼んだ。承知した彼女はハンガーにかかっていたセーラー服を着て部屋に入った。待っていたのは意外にも転勤した有藤和良先生だった。二人は驚いたがプレイを始め、和良は指し棒で彼女を殴った。まりよは有藤に紀美子と尚輝先生が恋中であることを知らせた。ショックを受けた和良はまりよを犯そうとしたがボッキしなかつた。
　　買物をして急ぎ足で帰ってきた紀美子は家に灯りがついているのを見て慌ててイヤリングを外し、玄関を入った。和良は帰りの遅いのは男と遊んでいたからだろうと怒り、検査すると言ってスカートをめくり、殴りながら犯した。イヤリングがポケットから転がり落ちた。次第に輿奮した和良はイメクラのプレイとの区別がつかなくなったようだった。彼が果てると紀美子は泣き伏した。彼女は和良を殺したいと思った。
　　翌日、保健室に来た尚輝は紀美子の顔のアザを見てどうしたのか尋ねた。紀美子は泣くばかりだったが、どちらともなく体を求めてべッドに倒れ込んだ。
　　尚輝に警察からまりよを保護しているという電話があった。尚輝は紀美子と共に警察へ行ったが、不貞腐れたまりよは二人を見てなじり、和良が自分の客であることまで告白した。そのうえまりよは紀美子と尚輝の不倫まで和良に打ち明けていた。
　紀美子と和良の仲はますます険悪になっていった。
　　その夜、和良はビールを飲みながらテレビの野球中継を見ていた。紀美子は彼の背後から近寄り、持っていたハンマーを振りかざした。室内に鮮血が飛び散った。
　　間もなく、和良の失踪届けが警察に出された。自由になった紀美子と尚輝はラブホテルで濃密に愛し合うのだった。