ハルカ…………夏　井　亜　美
カナ……………日　高　ゆりあ
サト……………岡　部　　　尚
神崎……………牧　村　耕　次
槙原……………那　波　隆　史
ナターシャ……月　野　　　姫


監　督……佐　藤　　　吏
企　画……福　俵　　　満
プロデューサー…深町　章
脚　本……金　村　英　明
撮　影……長谷川　卓　也
音　楽……大　場　一　魅
編　集……酒　井　正　次
録　音……シネ・キャビン
助監督……江　尻　　　大
現　像…………東映ラボテック

　　

ハルカとカナは長らくお笑いコンビを続けているがなかなか芽が出ない。ハルカは仕事のためにＴＶプロデューサーの槙原と寝る。コンビはオーディションに合格するが、事実を知ったカナはハルカの裏切りに失望し、ハルカの元を去るが…あのＡＶ出身のピンク・アイドル・コンビがお笑いの世界に生きるヒロイン達に扮する。

ハルカとカナは「青空ハルカ・カナタ」という名の漫才コンビ。しかし結成後８年たってもオーディションに落ち続け、芽が出ないでいる。事務所社長の神崎はテレビプロデューサーの槙原にハルカを紹介した。槙原はハルカを舐めるように見ると、やる気を見せればいくらでもチャンスをあげると意味ありげに言った。ハルカは悔しさを募らせながらホテルで槙原に抱かれた。事後、ハルカはこのことはカナには言わないで欲しいと神崎に頼んだ。

数日後、ハルカとカナは同棲するアパートを出てオーディション会場へ向かうが、途中新宿で路上パフォーマンスをしているハルカの恋人サトの元へ立ち寄った。その後会場の控え室にいるとカナの携帯が鳴った。母親から実家へ帰って来いという電話だった。廊下に出たカナがイライラしながら電話を切ると、近くの部屋から喘ぎ声が聞こえてきた。室内では槙原がニューハーフのナターシャの肉体を貪りながら、オーディションは合格だと言っていた。控え室に戻ったカナは、戻って来たナターシャを嫌悪の目で見た。そしてオーディションがはじまった。

ふたりは見事合格した。ハルカが裏でしたことなど知らず、カナは私たちの実力だと喜んだ。その後、カナは槙原から打ち合わせに呼ばれた。ホテルの一室へ行くと何やら様子が変だった。そしてバスルームから体にタオルを巻いたハルカが出てきた。槙原はことのなげに今日は三人で楽しもうと誘った。カナが嫌がって逃げ出そうとすると、ハルカが引き止めようとし、二人は口論になった。ハルカは槙原の言うことを聞けばテレビに出られるのだと諭すが、カナはいつでも自分勝手に物事を決めるハルカを責め、涙を浮かべながら去った。

カナはパフォーマンスするサトの元へ行った。カナの涙を見てサトは驚いた。ふたりは居酒屋へ入った。カナは泥酔し、コンビは相手を裏切っては駄目だクダをまいた。サトは眠ってしまったカナを背負って店を出た。ハルカに電話するが繋がらないので、自分の部屋に連れ帰った。やがてサトば目を覚ましたカナからハルカが槙原と寝て仕事をとったことを聞かされた。サトはショックを受けるが、二人はやがてお互いを慰め合うように体を重ねた。サトに抱かれながら、カナの頬を涙が伝った。

カナは実家に帰ることに決めた。荷物をまとめて出て行こうとするカナをハルカは必死で止めた。カナはハルカが槙田と寝たことをサトに話し、彼と寝たことを正直に話した。ハルカはカナを殴った。ハルカは再びホテルで槙原と会った。沈んで落ち着きのない様子の槇原は製作費の着服がばれ、悪事を重ねてきた槙原はもう終わりだから一緒に死んでくれと襲いかかった。ハルカは必死で逃げ出し、痣だらけの顔で事務所に辿り着いた。コンビを解消したことを告げると、ハルカはサトのアパートへ行った。コンビニで買ってきた包丁を手にすると、カナがいたらふたりを刺そうと思っていたと告げた。そしてサトに抱きつくと、部屋を後にした。サトはハルカを追いかけた。ふたりは部屋に戻り激しく求めあった。

安らかに眠るハルカは、カナと仲直りし再びコンビを組む夢を見た。翌朝、眠るサトを残してハルカは部屋を出た。世界中の笑いの花を独り占めするその日まで、どんなに笑われてでも生きてやると心に誓った。数ヶ月後。新宿で路上パフォーマンスするサトの前にスーツ姿のカナが現れた。仕事で一日だけ東京に来ていたのだった。サトもすでにハルカとは別れていた。カナはハルカといた時が一番笑ってた気がすると言った。ふと見上げると、街頭ビジョンにハルカが映っていた。ネタを終えたハルカの笑顔が画面に浮かんだ。