美　緒……八　神　康　子
真　子……山　本　あゆみ
村　岡……村　松　　　透
透………斉　藤　雅　史

監　督………渡　辺　　　護
脚　本………吉　本　昌　弘
撮　影………志　村　敏　雄
照　明………森久保　雪　一
音　楽………飛べないアヒル

かつて山本晋也、若松孝二、高橋伴明などと並んでピンク映画の黄金時代を築きあげたベテラン渡辺護が監督によるこの作品は、往年の人気スター八神康子の魅力を存分に引き出した濃厚な官能ドラマである。

　海に近い森の中の別荘。ここには美緒が一人で住んでいる。ある夜、男が訪ねてきた。 別れた夫の村岡である。彼は強引に中に入って一度破れた生活を初めからやり直そうと迫 った。彼は会社の人事異動で部長の候補にあげられている。離婚していることが知られる とまずいので頼みに来たのだ。しかし美緒は冷たくはねつけ、自分の部屋に入って鍵をか けてしまった。
　村岡は恥も外聞もなく部屋に座りこんで帰って来てくれと懇願したが、しばらくすると 部屋の中から美緒の喘ぐ声が聞こえるので男がいるのではないかと思い、ベランダに出て 彼女の部屋を覗いた。美緒はベッドで弓なりに体をそらせてオナニーにおぼれていた。ショックを受けた村岡はその夜は酒を飲みつづけてソファで眠った。
　翌日、陽気な音楽で目を覚ますと、美緒がレオタード姿でエアロビクスに熱中していた。玄関の前に車の止まる音がした。美緒は待っていたように来客を迎え入れた。女子大生の真子と、学園祭で知り合った大学生の透である。透は真子になぜか血液型などを聞かれＡ型だと答えるといいアルバイトがあると誘われて一緒に来たのだ。そのバイトが何なのか彼はまだ知らされていなかった。
　真子は写真で見たことのある別れたはずの村岡がいるので不審そうだったが、美緒は真子をすぐ海辺の料理店に誘って村岡が突然復縁を求めて来たことと彼も血液がＡ型であることを話して複雑な笑いを浮かべた。そしてその帰路、二人は車の中で抱き合い熱いキスをした。
その日の深夜、村岡は足を忍ばせて美緒の部屋に行き、そっとドアを開けて中を覗いた。美緒はネグリジェを脱ぎ黒い下着だけだった。中に入ろうとした村岡は美緒の隣に全裸の真子が寝ているのに気づいてハッとした。やがて美緒は半身を起こして真子の肌を愛撫しはじめた。そして下着も脱ぐと二人は互いの秘所を舌で責め合ったので、村岡を声もかけられずにそっと立ち去った。
　翌日、村岡はレズになった美緒を責め、二人の生活をやり直してくれるのなら、これまで気が進まなかった子供をつくってもいいと半ば哀願したが美緒は冷たかった。我慢できなくなった村岡は美緒を強引に組み敷いて、男とのセックスの喜びを思い出させるために激しく律動をつづけた。廊下でその気配を感じた真子は美緒の喘ぎを聞きながらオナニーをはじめた。村岡は執拗にセックスを繰り返し三度まで達したが、まだ満たされぬ美緒は愛液に濡れた秘所に指をのばしてオナニーにおぼれた，その限りない欲情に村岡は茫然としたが、そこに真子が入ってきて女同士の愛撫をはじめたのでそのすさまじさに耐えられなくなって部屋を出ていった。
　村岡は真子に本当のセックスの味を知らせるために、透に彼女を凌辱してしまえと命じた。童貞の彼はためらったが、猟銃で脅かされながら抵抗する真子に踊りかかり、村岡に手伝ってもらいながらようやく一物を突入させた。真子はのけぞりながらうめいた。彼女は男とのセックスの快感を知ったのだ。そこへ美緒が未て村岡を激しくなじったが、彼は聞き流した。
　二人の男が立ち去ると、美緒と真子は顔を見合わせて怪しく笑っていた……。
　翌日、村岡はまた透を銃で脅して半裸の美緒と真子を縄で縛らせて、どちらでも好きな女を抱けと命じた。女の味を知った透は美緒に抱きついた。美緒の体は敏感に反応した。透は彼女を後ろから抱いて責めつづけた。酒をあおってその様子を見ていた村岡は、我慢できなくなって真子に挑みかかった。二組の男女はけだもののように絡みあって歓喜の声をあげた。
　翌朝、疲れ切った村岡と透が泥のように眠っているとき、表で車のエンジン音がした。車は走り去った、美緒と真子が二人を置いたまま帰ってしまったのだ。テーブルには透へのアルバイト料と手紙が置いてあった。すべては美緒と真子がＡ型の子供をつくるための計画だったのだ。透も村岡も種馬に利用されたのだ。
　六ヵ月後、真子のほうが妊娠したことがわかった。父親は透か村岡かはっきりしない。だが、美緒と真子にとっては「私たちの子供」であることは間違いなかった。美緒は真子の秘所に電動パイプを入れて作動させた。出産の通りをよくするためである。快感にあえぎながら溢れさせる熱い液を、美緒はいとしそうに吸いつづけた。