| トップページ | オンデマンドシアター |  ビデオ作品 |



九条……堺  勝朗
久子……スージー明日香
安夫……岡  大介
ひろ子…風原 美紀
流山……田村  寛
一枝……更衣 詩子

監督……渡辺  護
脚本……しらとりよういち
撮影……志村 敏夫
照明……石部  肇
編集……田中  修

刺青のポルノ女王スージー明日香の妖しい魅力を存分に発揮させた異色の大作。名匠渡辺護監督の腕が冴える一編で、SM世界の欲望とドラマを絢爛と描き出した秀作。
 久子は愛しあったすえにチンヒラの安夫と結婚した。しかしバクチで失敗した安夫は借金の肩代りに彼女を売り飛ばす話を決め、そのうえ仕事のためだと偽って背中に刺青をするよう彼女に頼んだ。売られたとは知らない久子は安夫の仕事を助けるためと信じて承知した。

 鎌倉の高台にある古めかしい屋敷。九条清治の住居である。その一室で清治は久子の背中に刺青を彫っていた。心臓病の持病があるので顔色も悪く、ひどく疲れているようだ。傍には長年住みこんでいる女中の一枝が控えて時々額の汗を拭いてやっていた。

 久子は彫られるたびに悲痛な声をあげ、目には涙をにじませている。刺青は完成に近かったが、若い肌に神経を集中している清治の目は異様に輝いている。それを見つめる一枝の表情には嫉妬の陰かあった。突然、清治が苦しそうに胸を押さえて倒れた。慣れている一枝は彼に口移しで薬を飲ませた。

 夜、久子は隣室から一枝のうめき声か聞こえるので襖の隙間から覗いてみた。全裸の一枝が清治の体を舌で愛撫しながら自慰をしていた。やがて彼の下腹部に舌を這わせてフェラチオをはじめたが、清治のモノはボッキしなかった。彼は不能だった。

 興奮した久子は安夫を思ってオナニーで欲情を満たした。その安夫は、愛入のバーのママひろ子と乱れた関係をつづけていた。清治は、久子の刺青がもう少しで完成するのだが、一ヵ所だけ思うような朱色が出ないので悩んでいた。久子がこの屋敷に連れてこられて以来男と接していないので、肌が渇ききっているのが原因だった。それを聞いた一枝は「あの男」を呼ぶようにすすめた。「あの男」とは……

 久子は刺青の苦痛に耐えられず、清治に家へ帰らせてほしいと頼んだ。そして、安夫が彼女を金で売ったことを初めて知らされて激しいショックを受け、裸のまま裏の竹林へ逃げだしたが、突然飛んできた繩に縛られて引きずり戻された。繩を投げたのは「あの男」緊縛師の流山童子である。流山は久子の両股を開いて縛りあげた。彼女は激しく抵抗したか、その様を清治と一枝は冷然と見ていた。やがて久子は陰部にシェービングクリームを塗られヘアを剃りおとされた。恐怖で彼女は放尿したか、流山はそれを掌に受けて飲みこんだうえ隆々たる一物を口の中に突っこんだ。久子は失神した。清治は静かに席を起った。

 残された一枝は流山に抱かれて身悶えながら緊縛を求めた。固く縛られれば縛られるほど彼女は歓喜の声をあげた。その声で失神から覚めた久子は茫然とその異様な痴戯を見つめていた。流山は毎日のように久子を縛って責めた。秘所にバイブを当てたりロウソクを使って責めた。一枝もそのロウソクを奪うように取って責めに加わった。こうした責め苦を受けるうちに久子は次第に被虐の悦びを知るようになった。渇いていた肌にも艶か出てきた。

 流山の仕事は終わった。彼が屋敷を出ていくとき、清治は一枝も一緒に行くようにすすめた。不能の彼は、以前から二人が関係していることを知っていたのだ。清治は久子の縄を解き、刺青を完成させるためにとった残虐な責めを詫びた。久子にも彼の気持ちが判るような気かした。清治は思わず彼女を抱きしめたか不能のままだった。いよいよ仕上げの刺青がはじまった。残っている部分に朱色を彫りこめば完成である。久子の肌に針が刺されているとき、突然短刀を持った男が乱入してきた。彼女を忘れられずに様子を見に来た安夫だった。短刀は清治の脇腹を刺した。だが清治は最後の執念を燃やし流れ出る自分の血で彫りあげて絶命した。

 安夫は彼女を連れて逃げようとした。久子は完成した刺青を見せて、それでも抱けるかと迫った。安夫は狂ったように愛撫したがボッキしなかったので部屋を飛び出していった。独りになった久子は、清治の遺体の前で自分の体を縛りあげた。そして天井から下がった一方の縄を引いて逆さの宙吊りになった。その目には涙があふれていた。
| 新東宝トップページ | X CITYメインメニュー |  X CITY会員登録 |
Copyright© 2000-2008 shin-toho. All rights reserved.
Copyright© 2000-2008 X CITY Website.All rights reserved.e-Mail : xcity@xcity.jp