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陰山栄子………速 水 今日子
安藤結子………淡 島 小 鞠
安藤満生………千 葉 尚 之
萩原雅恵………しのざきさとみ
長柄 健………西 岡 秀 記

監 督……福 原   彰
企 画……福 俵   満
プロデューサー…深町 章
脚 本……福 原   彰
撮 影……清 水 正 二
音 楽……大 場 一 魅
編 集……酒 井 正 次
録 音……シネ・キャビン
スチール………津 田 一 郎
助監督……佐 藤   吏
現 像……東映ラボテック

度は別れたかつての不倫カップルが運命的な再会の果てに再び情欲に溺れてゆく様を情感豊かに描き出した濃密エロス編。

 栄子は大学教授の夫がいながら八歳年下の満生と付き合っている。とあるラブホテルで二週間ぶりに二人は逢うが、セックスのあとで栄子は別れを切り出した。夫の海外転勤が決まったのだという。満生は「あんたみたいな人にはこの先二度と会えない気がする」と栄子に結婚すら申し込み、自分の想いを伝えようとするが、栄子は振り切りように部屋を出ていった。

 二年後。旅行雑誌の編集部で働く結子は間もなく結婚を控えていた。編集長の長柄は人妻キラーと噂されているので気をつけた方がいいと先輩の雅恵が彼女に話しかけた。その日、結子は海外から一時帰国している姉と会う約束をしていた。ふたりは十七年前に死んだ母の墓参りに出かけた。彼女の姉とは栄子だった。その後、結子は婚約者を栄子に引き合わせた。待ち合わせ場所に現れた婚約者はなんと満生だった。

 その夜、ホテルで雅恵と長柄が愛しあっていた。二人とも結婚しているが、ずっと不倫関係を続けてきたようだった。雅恵は女の勘で長柄が結子に気があることを見抜いていた。

一年後。結子と満生は幸せな結婚生活を送っていたが、体調を崩した栄子から、帰国して東京の病院で検査を受けると連絡がいう連絡が入った。結子は栄子を自宅に泊めることにした。満生は複雑な気持ちだった。その夜、結子を抱きながら、ふと脳裏に栄子の面影が浮かぶのだった。

 数日後、栄子はやってきたが、ちょうどその翌日に結子が取材旅行で家を空けることになり、栄子と満生は再会後初めて二人きりになった。満生は今でも栄子を忘れられずにいるということを告白し、栄子は動揺を覚えた。

 翌朝、二人でベランダから外を眺めているうち、満生は思わず栄子を抱きしめた。栄子は抵抗して浴室へ逃げ込み、満生は必死で謝った。浴室から出て来た栄子は満生と別れた後で夫のアメリカでの教え子に恋したことを語り始めた。しかし夫と彼は同性愛の関係にあり、夫を問いただすと元々その気があり気づかないお前が悪いのだと開き直られて彼女は大きなショックを受けた。そして検査にかこつけて日本へ来たのだと話した。涙声で話す栄子を満生は抱きしめた。栄子の体から力が抜け、やがて二人は堰を切ったように激しく求めあった。

 これきりだと思いながらもふたりは再び愛しあった。そこへ結子が帰宅し、寝室での二人の行為を目撃して愕然と立ちすくんだ。満生は結子に栄子との関係を説明するが、結子は何度も満生を殴って部屋を飛び出した。その後結子はオフィスへ向かったが仕事は手につかなかった。結子に思いを寄せていた長柄は彼女を抱きしめたが、彼女は何も言わずにオフィスを出た。

 とあるホテルで二日を過ごした結子に栄子から電話がかかった。冷たい態度を取る結子に、栄子は診断結果が癌であったことを伝えた。結子は何も言わず電話を切った。続いて長柄を部屋に呼び出し、戸惑う彼の肉体を強引に求めた。セックスの最中、結子は自分が妊娠していることを告白した。それは満生も知らない事実だった。帰宅した栄子は満生に「ここから出て、もう二度と自分と栄子の前に現れないで」と告げた。

 数日後。公園で沈んでいた栄子の前に結子が現れた。結子は何も言わず栄子の手を取り、二人は並んで歩き始めた。

 半年後。栄子は入院を続けていた。結子のお腹はだいぶ大きくなった。栄子は死んでもずっとそばにいて見守っていると結子に告げた。

 一年後、結子は赤ん坊を連れて墓地を訪れた。墓には両親と一緒に栄子が眠っていた。帰り路に結子は満生とすれちがった。結子はまったく彼のことが目に入らないかのようにその前を通り過ぎた。
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