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遠井恵子…岡   尚 美
木村しのぶ…波田  夏樹
エミ………山 下 エ ミ
渋沢竜雄…下 元 史 朗
野上優作…山 田   一

監 督……高 橋 伴 明
脚 本……高 橋 伴 明
撮 影……伊 東 英 男
照 明……磯 貝   一
編 集……竹 村 編集室
音 楽……石 崎   奨

地方都市で高校の教師をしていた彼女は、ある事件が原因で学校をやめて上京し、予備校の英語の先生をしている。
ある事件とは、教え子が暴漢に輪姦されているのを救おうとして逆に縛りあげられて責められたという哀しい出未事だったが、それ以来彼女は緊縛の苦痛に快感を覚える変態性欲者になっていった。彼女をこのように変身させた男はダニのようにつきまとってくる。彼女は憎みながらこの男と離れることができない。
このドラマは、昼は女教師、夜は歪んだ性のトリコになる女性の哀しい愛の結末を描く異色編で、ベテラン高橋伴明が自作のシナリオを暴露タッチで濃厚に演出している。

遠井恵子は地方の高校教師をやめて上京し、今は予備校の英語の先生をしている。浪人中の生徒たちは熱心に勉強していたが、野上優作だけはその枠からはみ出しているような特異な生徒だった。特異ということでは恵子こそ秘密のある教師といえる。彼女には渋沢竜雄というヤクザのヒモがついている。そのうえレスビアンで緊縛の悦びも知っている変態性欲の持主なのだ。夜になると濃い化粧をして竜雄と秘密クラブヘ行きエミという女と同性愛の歪んだ痴戯におぽれるのだが、竜雄は冷然とそのからみ合いを見つめている。そして家へ連れ戻ると恵子の裸身を縛りあげて責めるのだ。恵子はその苦痛のなかで歓喜に悶えた。
このように、どうにもならない肉欲の業を背負いながら昼間は予備校生の教育に情熱を傾けていた。だから優作がテストに白紙の答案を提出するとその心理を計りかねて彼の存在が気にかかり、休憩時間には屋上に出て語し合うようになった。
ある日、恵子は学校の帰りに少女から声をかけられた。少女は意外にも高校にいたときに教え子だった木村しのぶだった。しのぶは同じ予備校に通っていると言った。奇遇をよろこんだ恵子はしのぶを優作の働いている寿司屋へ連れていって紹介し、ご馳走してやった。
こうしたことからしのぶは優作と交際するようになった。恵子も心の隅で優作にひかれるものを感じていたので、その感情を振り捨てるために積極的に二人の間を取りもとうと、映画の鑑賞券を贈ったりした。
それにはまた、二人の青春を励ますと共に目分の汚れきった夜の生活の償いにもしようという恵子の哀しい願いがあったのかもしれない。しかし所詮弱い女である彼女はレズと緊縛の悦びを忘れることはできなかった。ある時はレズの相手であるエミが竜雄とからみ合って狂気のような濃密な愛技を繰り返すのを目の前で見せつけられ、異常な興奮を押さえきれず彼について家まで行って燃える肌を思いきり縛ってほしいと迫ったこともあった。全身に食いこむロープの痛み。その痛みを喜悦に変えていく竜雄の愛撫の指先。地獄のようなセックスの世界から恵子はどうしても抜け出すことができなかった。
優作はしのぶが積極的に近づいてくるのがうとましくなってきた。それは、恵子が二人を結びつけるためにしのぶの後押しをしているように思えたからでもあるが、それが逆に優作の恵子への思慕を強くもしてしまった。優作はしのぶに、恵子が高校の教師をやめた理由を尋ねた。渋っていたしのぶはようやくその訳を打明けたが、それは優作に激しいショックをあたえるものであった。高校生だったしのぶはある旦二人の暴漢に襲われて輪姦された。暴漢のリーダーは竜雄だった。そこに通りあわせた恵子はしのぶを助けに飛びこんだが、男たちは彼女を古タイヤに押しこんで吊しあげ激しく回転させたり上下に揺すって弄び、その揚句に服をむしり取ってロープで縛りあげた。苦痛のなかに恵子は異様な快感を味わった。その様子を竜雄は嗜虐的な笑いを浮かべて見つめていた。
この事件が原因で恵子は教師をやめて上京したが、竜雄もダニのように彼女につきまとい、彼女も彼と離れられなくなったのである。優作はしのぶからこの話を聞いて竜雄に激しい憎悪と怒りを覚えた。そして学校の帰りに竜雄が恵子に話しかけているのを見て猛然と飛びかかっていったが、竜雄のパンチを浴びて伸びてしまった。
それ以来、竜雄は恵子に男を近づかせないために学校へいくときも裸身をロープで縛りその上にブラウスを着せるようになった。教壇に立つ恵子はパンティに食いこむロープの痛さに異常な興奮を感じて、ひそかに息をはずませた。ようやく講義をつづけながらも熱い血が全身をかけめぐって、肌が燃えてくるのをどうしょうもなかった。
生徒のなかに優作の姿がある。彼も恵子に何か言いたげな表情をしている。その顔を見つめながら恵子の胸は波うった。そのとき竜雄が教室へ入ってきた。恵子は狂ったようにブラウスを引き裂き緊縛された肌を見せながら優作の胸に飛びこんでいった。優作の手にしていたナイフが恵子の胸に刺さった。二人は崩れるように倒れた。恵子の顔にはやさしい微笑が浮かんでいた。

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