
ストリップの世界で生きる女たちの姿を全編コメディタッチで描いた煽情編。底抜けに明るい女たちが巻き起こすチン騒動をテンポよく描き出す。人気女優たちの本格的なストリップシーンが楽しめる豪華な一編である。

とあるストリップ劇場。幼なじみのマリとリンは伝説のストリッパー進藤マサエに憧れて踊りを続けている。劇場の裏でマリは客の山内隆夫に気持ちを告白される。そんな二人の姿を困ったように見ている若林栄太の姿があった。栄太は劇場のロビーでリンに金を渡してマリのことを聞き出そうとした。リンは怒って栄太に掴みかかったが、逆にねじ伏せられてしまった。
隆夫はマリとホテルで愛しあった。童貞だった隆夫はすぐに果てたが、若さに任せて何度も交合した。隆夫の実家は超大金持ちだとマリは聞かされていた。しかしそれは嘘だった。いっぽう別のホテルではリンとホストの義男が愛しあっていた。リンは義男に金をせがまれたが、もう彼に渡す金はなかった。義男はリンを殴った。リンは咄嗟に反撃し、あっけなく鼻の骨を折った義男を置いて逃げるように部屋を出た。
隆夫の実家は父の隆英と母の真弓が経営する山間のさびれた旅館だった。数ヶ月前に隆英は眼鏡に雷が落ち、奇跡的に命は助かったものの少々頭がいかれてしまい、UFOと宇宙人のことばかり口走っていた。番頭の栄太は東京で見た隆夫の様子を真弓に報告した。そこへひょっこりと隆夫が帰ってきた。隆夫は旅館を売り払って東京でストリップ劇場をやりたいと言って真弓を怒らせ、蔵へ閉じこめられた。隆夫はマリに電話してしばらく会えないと言った。心配したマリは隆夫の実家へ向かうことを決めた。リンもそれに付き合うことにした。
マリとリンは隆夫の実家がある山梨へやって来るが、道中の川で水遊びをしている間に徘徊中の隆英に服や荷物を盗まれてしまった。ふたりはなんとか近くの古びた旅館へたどり着いた。真弓が応対に出ると栄太が「旦那さんがこんなものを拾ってきた」とマリとリンの鞄を持って現れた。リンは栄太の顔を見て驚いた。二人は隆夫が大金持ちの御曹司であるというのが嘘だと知った。蔵から逃げ出した隆夫は真弓に見つかって呼び止められた。隆夫はマリの姿を見て驚いた。真弓に派手に叱られた隆夫はスネて屋根の上に逃げた。そばに来たマリに隆夫は彼女の踊りを見た時のように女性が綺麗に見えたことはなく、どうしてもマリの心を捕まえたくて嘘をついたのだと言った。それを聞いたマリはどこか許せる気持ちになった。ふたりが口づけしようとした瞬間、足を滑らせた隆夫は屋根から落ちて足の骨を折ってしまった。マリとリンはしばらく旅館の手伝いをしながら滞在することになった。マリは怪我した隆夫を看病し、勃起した彼の上に跨って愛しあった。リンは栄太のことが気になった。栄太もまんざらではないようだった。
ふたりは客室で踊りの練習をした。隆夫のことが好きになったマリは迷っていた。隆夫と結婚するためには踊りをやめて旅館の女将にならなければならないからだ。リンは迷っているくらいなら踊りをやめて旅館の女将になればいいとマリを突き放した。そこへ真弓が現れた。真弓は自分もかつてはストリップをやっていたと告白した。二人は我が目を疑った。真弓こそ二人が憧れる伝説のストリッパー進藤マサエその人だったのだ。真弓はかつて隆英に求愛され、ストリップをやめるという条件でなんとか彼の両親に結婚を許されたのだった。真弓に踊りの手ほどきを受けるうち、マリはもっと踊りたいという意欲が湧いてきた。その頃、川原では隆英が「地球が宇宙人の侵略から守られるよう」に一心に祈りを捧げていた。と、次の瞬間すさまじい雷鳴が響き渡った。全身焼け焦げたような風貌で帰宅した隆英は正気に戻っていた。真弓は喜んで抱きついた。
マリとリンは再び踊りの世界へ戻ることを決めた。リンは林の中で栄太と愛し合った。隆夫はマリを引き止めたい一心で屋根に上って飛び降りると脅したが、足を滑らせ地面に落ち、もう片方の足も折ってしまった。ベッドでいじける隆夫をよそにマリとリンは旅館を発った。マリは窓から顔を出した隆夫に涙ぐみながら手を振った。「これでいいの?」とリンが訊くと、「仕方がないよ、私達には踊りがあるんだから」とマリは答えた。