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晴奈……………華 沢 レモン
玉代……………佐々木 麻由子
東風/学生……なかみつせいじ
光子……………里 見 瑤 子
作造……………久 保 新 二

監 督……深 町   章
企 画……福 俵   満
脚 本……後 藤 大 輔
撮 影……清 水 正 二
編 集……酒 井 正 次
録 音……シネ・キャビン
助監督……佐 藤   吏
スチール…津 田 一 郎
現 像……東映ラボテック

藤大輔の脚本をベテラン深町章監督が映像化した艶笑ファンタジック・コメディ。昨今はやりのメイド・カフェ的な設定を、ベテラン・若手とりまぜたピンク映画の人気女優が演じる必見の異色作だ。

 東風は人生に疲れて漂泊の旅に出た。岬の断崖の上で海を見下ろしていると、ミニスカートにガーターベルトというメイド姿の少女晴奈が声を掛けた。晴奈は突然股間を押さえ草むらへ駆け込みおしっこをはじめた。自分はお漏らしなどしていないと涙ながらに訴えると、晴奈は走り去った。呆気にとられた東風は宿を探そうと歩き出した。とあるペンションの一室。メイド姿の玉代が緊張気味にお茶を運んでいると、作造が意地悪く足を突き出して転ばせ、床の紅茶の飛沫を飲むよう命じた。玉代は四つんばいで紅茶を舐めた。作造は欲情しフェラチオを強要し玉代を犯した。そこへ玄関のチャイムが鳴った。玉代は急に豹変し、作造から身を引き離すと彼のガウンを引っぺがして玄関へ向かった。これは宿の女主人玉代が使用人の作造に命じたプレイだったのだ。
 訪ねてきたのは東風だった。大正末期から昭和初期にかけての頃、この土地の娘が東京で身を持ち崩し、場末のカフェで女給になった。ある学生が彼女を好きになり、身分が違うからと交際を断る娘に、ならば自分だけの女給、メイドになってくれ、でなければ僕は死ぬと告げたのだった。結局二人はこの地で心中――東風を迎え入れた玉代は心中の片割れでメイドの格好をした幽霊が出ると噂され、この時期ペンションには土地の者も客も寄りつかないのだと話した。
 その夜、東風が夜の岬へ向かうと、またもやメイド姿の女が叫びながらやって来た。しかしそれは東風の妻光子だった。光子は家の金を持ち出して一人旅など出てないでさっさと帰ってこいと言うと、服を脱いで東風にのしかかった。そのうちに光子の顔が晴奈に見えて……東風の夢だった。トイレへ立つと、そこには晴奈がいた。晴奈は東風の逸物をくわえた。東風はこのまま君と死んでしまいたいと口にした。晴奈は学生と心中を決めたのだが、最後に彼と愛しあう中、絶頂の寸前でおしっこがしたくなり、その後彼は天国へ逝ってしまった。自分だけがあの世へ行けず彷徨っているのだと話した。そして、生きていることは素晴らしいことだと東風に言うと自分のために命を徒にした学生を哀れみ、我が身を呪い哀しみながら姿を消した。
 翌朝も東風は晴奈に逢いたくて岬へ出向いた。しかし現れたのは光子だった。光子は彼を家へ連れ帰ろうと引っ張っていくが、東風は晴奈を助けたいのだと光子を突き飛ばした。光子は東風に離婚届を突きつけた。朝食を食べていると作造がやってきて得意げに「今朝もお勤めで玉代に潮を吹かせてやった」と吹聴した。それを聞いた東風はあることを思いつき、作造にある頼みごとをした。
 深夜、作造は現れた晴奈の幽霊を自室に連れ込み、強引に押し倒した。嫌がっていた晴奈もいつしか作造のテクニックに翻弄され、絶頂と共に潮を吹いた。東風が望んだのはこれだった。覗き見ていた東風が興奮気味に晴奈に駆け寄った。あの心中の時、晴奈はおしっこをしたのではなく感じすぎて潮を吹いたのだと東風は説明した。それを知れば学生はきっと許してくれるはずだと言うと、晴奈は東風の手を取って今度はあなたを救えたと言った。実は死んだ学生と東風は瓜二つで、晴奈は最初岬を訪れた時に死ぬ気だった東風をなんとか救いたいと思って彼の前に現れたのだった。そして冥土へ行ったら学生に潮を吹かせてもらうと笑ってこの世から去っていこうとした……が。
 東風は光子に迫られた離婚届を破り捨てると、彼女とやり直すことを決め、東京へ戻った。一方、晴奈の潮を浴びた作造はなぜか創作に励み、芥川賞候補の作家となった。玉代はペンションをやめ、メイドカフェをはじめた。晴奈はお釈迦様から二度目の人生を得た。今では玉代の店のメイドとして楽しく働いて暮らしているのだ。
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