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あや……………葉 月   螢
里子……………藍 山 みなみ
菊………………水 原 香菜恵
勲………………千 葉 尚 之
蒲生……………牧 村 耕 次
巡査……………川 瀬 陽 太

監 督……深 町   章
企 画……福 俵   満
脚 本……後 藤 大 輔
撮 影……清 水 正 二
編 集……酒 井 正 次
録 音……シネ・キャビン
助監督……佐 藤   吏
スチール…津 田 一 郎
現 像……東映ラボテック

これは戦争中のとある田舎町を舞台に、未亡人と特攻隊員の間に生まれた追い詰められた愛欲を描いた物語。監督としても活躍している後藤大輔の脚本をピンク映画の名匠深町章監督がスリリングに描きだした官能編だ。ベテラン葉月螢をはじめ、藍山みなみ、水原香菜恵らが競演。

昭和二十年春。戦争未亡人のあやは林の中で山菜を採っていた。ゼロ戦の爆音を聞いたアヤが帰り道にふと気がつくと木の下に飛行服姿で足に怪我を負った青年勲が座っていた。あやは家に帰って握り飯を作り、彼の元へ届けた。勲はそれを頬張りながら自分は海軍所属の特攻隊員で、じきに出撃なのだが怪我で動けずにいることを話した。あやが医者を呼びに行こうとすると勲は自分で行くからと断った。
あやは家から警察へ電話した。しかし墜落した零戦の件で対応に追われている巡査はまともに話を聞こうとしなかった。そこへ養鶏業者の蒲生が訪ねてきた。隣村の山に零戦が墜落し、乗っていた操縦士が行方不明になったのだが、捜索にかり出される前に逃げてきたのだと話した。そして特別に持ってきたという卵を取り出すと、金はいらないからとあやの手を握った。あやはその手を咬んだ。そこへ女中の里子が帰宅した。蒲生は悔しさを募らせながら、納屋で里子を抱いた。
あやは亡き夫の遺影に線香を上げると、ふとその顔が勲に変わって見えたので驚いた。彼女がそのあとまた林の中へ向かうと勲が高熱にうなされうずくまっていた。あやは彼に肩を貸して家まで運び、布団を敷いて寝かせた。あやは勲の体の傷を消毒しながらそのたくましい股間が気になって仕方がなかった。つい目が行ってしまったが、はにかみながら視線を逸らした。
翌朝。あやは里子に実家へ戻るよう言い渡した。里子は実家には弟や妹がいて困るというがあやの意志は固かった。あやは地下牢の掃除をし、勲をそこへ運び込んだ。村では墜落した零戦の操縦士が見つからず、山狩りがはじまっていた。あやは警察や部隊に知らせることなく勲を看病した。いつしか勲はあやを求め、あやもそれに応えた。ふたりは熱く愛しあった。事後、勲は自分は意気地なしの脱走兵なのだと告げた。あやはそれを承知で勲を匿ってやると言った。
ヒマを出された里子は大きな荷物を持って停留所でバスを待っていた。通りかかった蒲生が彼女に事情を聞いた。里子は蒲生の靴を見ると、昨夜見た靴と違うと言った。怪訝に思う蒲生に、昨夜家の玄関に大きな靴があったが、今朝はなかったのだと話した。その夜、売春宿へ行った蒲生は、菊という女から裏山で大きな落下傘が見つかったことを聞いた。蒲生のなかで里子が見た大きな靴と落下傘がつながった。 翌日。ふたたび蒲生が卵を持ってやって来た。蒲生はあやが特攻隊員を匿っていることを見破っていた。そしてこのまま駐在へ駆け込んでもいいのだと脅し、あやの体に手を伸ばした。あやはここでは嫌だからと、八時に天神様の社へ行くことを約束した。地下牢の勲はあやに、自分と一緒にいると君まで巻き込まれて殺されると言った。あやは死ぬ時は一緒だと言った。
その夜。蒲生は約束の場所で酒を飲みながら待っていた。しかし時間になってもあやは現れず、業を煮やした蒲生は巡査を連れてあやの家へ向かった。あやはよく研いだ包丁を胸元へ隠し、ふたりを家に上げた。蒲生と巡査は室内をくまなく捜索したが、どこにも人影はなかった。巡査はあきらめようとしない蒲生を秩序紊乱の罪で連行していった。
二人が帰るとあやは地下牢へ降りていった。あやと勲は熱く接吻を交わし、激しく求めあった。あやの夫の戦死が誤報で、半年後に復員してくるとは、この時知る由もなかった……。


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