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真夕美…………藍 山 みなみ
美佐子…………しのざきさとみ
峰子……………里 見 瑤 子
章太郎…………岡 田 智 宏
半蔵……………川 瀬 陽 太

監 督……深 町   章
企 画……福 俵   満
脚 本……河 本   晃
撮 影……長谷川 卓 也
編 集……酒 井 正 次
録 音……シネ・キャビン
助監督……佐 藤   吏
現 像……東映ラボテック
〜『怪談牡丹燈籠』より〜

会社社長の章太郎は湖畔で釣りをしていたが、そこで病弱な真夕美とその母の美佐子と出会う。真夕美と章太郎はお互いに好意を抱く。三ヶ月後、美佐子が章太郎を訪れ、男を知らないまま死を宣告された真夕美を抱いてやって欲しいと頼む。章太郎と真夕美は結ばれ、夜な夜な愛しあうようになるが……。
三遊亭円朝の名作落語「怪談牡丹燈籠」をベースにした河本晃のシナリオをベテラン深町章が演出。ピンク映画に日本の怪談のテイストを持ち込んで独特の味わいのある作品に仕上げている。フレッシュな藍山みなみをはじめベテランしのざきさとみ、里見瑤子らが適材適所の好演ぶりを見せている。
 会社社長の章太郎は部下で同級生の半蔵と湖のほとりで釣りをしているうちに、遠くに二人の女連れがいるのを見つけた。気になって双眼鏡で覗くと女の一人が崩れるように倒れた。母親の美佐子が娘の真夕美を抱きかかえた。章太郎は二人に駆け寄り、真夕美を休ませるため自宅へ連れ帰った。
章太郎は眠る真夕美を見つめるうちに吸い寄せられるように唇を近づけた。その時、美佐子がトイレから戻ってきた。真夕美は幼い頃から病弱で、ひと月ほど前から近所の保養所に来ていた。具合も良くなり、思い切って遠出をしたところ、こんなことになったのだと美佐子は話した。章太郎は泊まっていくようすすめるが、そのうちに真夕美が目を覚ました。帰り道で真夕美は章太郎がキスしようとしたことを美佐子に話した。美佐子は男を知らない真夕美のことが不憫だった。
三ヶ月後のある日。また釣りに出かけた章太郎は、眠っているところを真夕美に起こされた。真夕美は先日のことで外出禁止になったが、章太郎に会いたくて抜け出してきたと話し、目を閉じて顔を近づけた。章太郎は唇を重ねた。だが、相手は半蔵だった。びっくりした半蔵に突き飛ばされた章太郎は眠りから覚め、我に返った。
その夜、章太郎の家に来ていた半蔵と妻の峰子が玄関を出ると、何やら妙な気配を感じた。二人と入れ違いに美佐子が章太郎を訪ねてきた。彼女は真夕美の命があと三年と宣告されており、真夕美を抱いて欲しいと懇願した。章太郎は引き受けた。和室には振袖姿の真夕美が待っていた。真夕美は深々と頭を下げ章太郎に身を委ねた。
半蔵はやつれ気味の章太郎に女が出来たと察し、様子を伺おうと彼の家に忍び込んだ。半蔵が目にしたのは、章太郎が死人のような顔で真夕美の襦袢を着た骸骨を抱いている光景だった。驚いて部屋を離れると、客間に座っている美佐子と目が合った。半蔵はやっとの思いで逃げ出した。
翌日。章太郎は半蔵に昨夜覗きに来たわけを訊ねた。そしてこの年になって初めて生きる楽しみを見つけたと話した。真夕美は章太郎に助けられ保養所に帰った夜、容態を急変させて息を引き取り、そのショックで美佐子も死んだ――半蔵は事実を話したが、章太郎は信じない。しかし半蔵が会社を辞めると言って立ち去ろうとすると、章太郎は『まだ死にたくない』と彼に助けを求めた。
半蔵は章太郎の家の玄関に何枚もお札を貼った。その夜もまた、真夕美と美佐子はやって来た。だがお札のせいで家に入る事は出来なかった。美佐子は泣きながら訴える真夕美のために半蔵の家を訪れ、札束を差し出した。そして着物を脱ぐと、章太郎の家の玄関に貼ったお札をはがしてくれるよう懇願した。半蔵は誘惑に負けて美佐子の熟した肉体にむしゃぶりついた。
半蔵は章太郎の身を守るために美佐子との約束を破り、峰子と共に引っ越そうとした。裏切りを知った美佐子が彼の前に現れた。半蔵はその首を絞めたが、ふと気がつくと倒れていたのは峰子だった。恐怖に駆られた半蔵はついにお札をはがした。
章太郎の家では室内の灯りが突然消え、廊下を歩く音が聞こえてきた。章太郎は襖を開けたが、誰もいなかった。部屋に戻ると、布団の上に真夕美が座っていた。章太郎は恐怖のあまり部屋を飛び出そうとするが、襖は固く閉ざされ、真夕美に吸い寄せられるように抱きしめられた。そして別人になったように夢中で真夕美と愛しあった。 翌朝。章太郎は真夕美の骸骨を抱いて息絶えていた。

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