宮本武子………吉　沢　明　歩
吉岡鈴之助……千　葉　尚　之
吉岡晴江………佐々木　麻由子
吉岡みずき……池　田　こずえ
旅芸人・牧太郎……牧村　耕次

監　督……深　町　　　章
企　画……福　俵　　　満
脚　本……深　町　　　章
撮　影……清　水　正　ニ
編　集……酒　井　正　次
録　音……シネ・キャビン
助監督……佐　籐　　　吏
スチール…津　田　一　郎
現　像……東映ラボテック

日々道場で剣道に打ち込む高校生の武子と鈴之助。武子は宮本武蔵の末裔で、鈴之介はあの吉岡一門の子孫らしい。武子はいつも男子の制服を着てふんどしを締めている男勝りの美人だ。対抗試合を目前に控えながらも、年頃の鈴之助はガールフレンドもおらず欲望をオナニーで処理する日々。そんな様子を見かねた母晴江は彼と肉体関係を持ってしまう。鈴之助はそのことで思い悩むが、それを知った武子は鈴之助の家系をめぐる意外な真実をつきとめて……。
これは剣の道に情熱を燃やす若者たちの痴情をベテラン深町章監督がコメディタッチで描きだした青春欲情編だ。人気セクシーアイドル吉沢明歩をはじめ、佐々木麻由子、池田こずえらが出演。
鈴之助は名門吉岡道場の末裔として剣豪を目指す高校生。武子はガクランを着て男言葉を話す、鈴之助の幼なじみだった。彼女は宮本武蔵の血を引く家系に産まれたが、男の子が産まれず頭に来た父親が彼女に無理矢理剣道の道を進ませ、男の格好をさせられている。二人の先祖は勿論敵同士であった。
鈴之助と武子は道場で稽古をした。剣の腕は武子の方が上だった。そんな二人の姿を覗き見ている男がいた。白ぬりの旅芸人、牧太郎だった。
神社の山門で牧太郎が舞台衣装を着て練習をしているところへ稽古を終えた武子が通りかかった。牧太郎はクンクンと武子の匂いを嗅ぐと、突然彼女に抱きついた。そして武子が女だとわかると強引に迫った。武子は彼がいつも自分を覗いていた痴漢男だと気づいた。牧太郎は抵抗する武子の肉体を奪った。
鈴之助は母の晴江、姉のみづきとの夕食の席で、今日も武子に負け、自分は剣道に向いていないのではないかと思うと弱音を吐いた。晴江はそんなことでは吉岡一門を作りあげた亡き父清十郎に申し訳が立たないと鈴之助を励ました。
鈴之助は悶々とした思いを晴らすため、部屋でエロ本を手にオナニーをはじめた。すると晴江がいきなり部屋に入ってきた。晴江はその姿に驚いた、鈴之助は慌ててズボンのジッパーを上げようとし、イチモツを挟んで悲鳴をあげた。晴江は心配げに赤くなった鈴之助のイチモツを撫で、それは彼女の指に反応してみるみる膨張した。晴江は鈴之助に童貞なのかと訊ねた。そして年頃なのにガールフレンドもおらず、セックスのことばかり考えて稽古など手につかないのではと、自らの肉体を鈴之助に捧げる決心をした。鈴之助は戸惑いながらも晴江に身を委ね、彼女に導かれるがままに絶頂に達した。
翌日。鈴之助は道場で武子と稽古をするが、どこか上の空だった。武子はそんな鈴之助を心配し、稽古の後で悩みがあるなら相談して欲しいと言った。鈴之助は悩んだ末に晴江と関係を持ったことを告白した。武子は鈴之助のそばにはいつも自分がいたのにと嘆くが、鈴之助はオトコオンナの武子とそんなことになるはずがないと言った。
その夜、牧太郎がみづきに夜這いをかけた。だが、みづきはそれに気づかなかった。翌朝、寝坊して慌てて起きてきたみづきは、は、昨夜重い物が身体にのしかかってくるような変な夢を見たと呑気に話した。会社に遅れそうだと家を飛び出していくみづきを鈴之助と晴江は呆れ顔で見送った。
鈴之助は相変わらず沈んでいた。河原で物思いに耽っていると、武子がいい話を持ってきたと駆けてきた。武子は実の母親が息子を誘惑するなどおかしいと思い、鈴之助の家系を調べてみたのだった。すると鈴之助と晴江は血が繋がっていないことがわかったのだ。晴江は子供が産めない身体で、好き者だった鈴之助の父が外で作った子供を引き取って育てることにした……それが鈴之助だったのだ。死んだ父との約束で晴江はこのことを鈴之助に話すことができなかったのだ。真実を知った鈴之助の心は晴れた。武子はもう母親となんかするなと言い、代わりにと鈴之助を誘惑した。二人はめでたく結ばれた。
湖のほとりで鈴之助と武子は木刀を手に向かい合った。武子は二刀流の宮本武蔵スタイルで、鈴之助も清十郎のスタイルをとった。四百年の時を経た宿命の対決が今、ここではじまった。二人の激しい戦いの行く末は…。