佐伯　町子………里　見　瑤　子
満　　　子………水　原　香菜恵
黒崎　由香………華　沢　レモン
田畑田吾作………牧　村　耕　治
田畑　権太………神　戸　顕　一
牛山　茂助………千　葉　尚　之

脚　本……深　町　　　章
企　画……福　俵　　　満
撮　影……清　水　正　ニ
編　集……酒　井　正　次
録　音……シネ・キャビン
助監督……佐　籐　　　吏
スチール…津　田　一　朗
現　像……東映ラボテック

とある山村に住む男ヤモメの田吾作は、東京からやってきた町子という女が山中で自殺しようとするのをやめさせた。彼女は母の病気のせいで借金をつくってしまったと事情を語り、この村で何もかも忘れて田吾作と一緒に住みたいと言う。思わぬ展開に浮かれる田吾作だが、実は町子は村の駐在の権太にも結婚をほのめかし……。のどかな田舎の農村を舞台に、女詐欺師の誘惑に翻弄される男たちの姿を面白おかしく描き出した艶笑ポルノ。里見瑤子、水原香菜恵、華沢レモンら女優陣が好演。
　田舎の農家でひとり暮らしの男ヤモメ田吾作は後家の満子の尻と時折関係を持っていた。ある夜田吾作はほっかむりをして満子に夜這いをかけた。しばらくすると田吾作と同じようにほっかむりをした別の男が部屋に侵入してきた。田吾作が上半身を責めると男は下半身を責めた。二人はお互い気づかぬまま満子を抱いた。やがて男が満子に挿入すると、田吾作はその後ろから男に挿入した。男は悲鳴をあげた。彼は駐在の茂助だった。二人は顔を見合わせて驚いた。
　村のバス停に女が降り立ち、近くを通りかかった田吾作に地獄谷の場所を訊ねた。そこは自殺の名所だった。田吾作は女の美しさに見とれたが不審に思って彼女の後を追った。女は谷の吊り橋に遺書を置いて飛び降りようとしたが、田吾作は必死で彼女を制した。女は町子という名で、病気の母のために借金を重ねたが、その苦労も空しく母は死んでしまい、生きる気力も無くして死ぬ決意をしてここへ来たのだと話した。田吾作は町子を家に招き、ゆっくり休んで先のことを考えればいいと言った。町子が抱いて欲しいと懇願するので田吾作はためらいながらもやがて彼女にむしゃぶりついた。二人は激しく愛しあった。
　町子はすっかり元気を取り戻し、こんなところで何もかも忘れて田吾作と一緒に生活したいと言った。いい雰囲気の二人の前を茂助が通りかかった。田吾作は町子を遠い親戚の娘だと偽って紹介した。茂助は女の結婚詐欺師が出没しているという県警からの通知を知らせにきたのだった。その女の特徴は若くて美人、そして太股に大きなホクロがあるという。町子は風呂場で自分の太股をまじまじと見てホクロがないことを確かめた。
　茂助は道で満子と出くわした。満子はいつ自分と結婚してくれるのだとせがんだ。茂助は答えを濁しながら、急に思いついたように彼女を繁みのなかへ誘い、服を脱がせて太股の辺りを調べた。もちろん彼女にはホクロなどなかった。勘違いした満子が欲情してしまったので二人はそのまま交わった。
　田吾作は町子にこの家に住んで欲しいといった。町子は二千万の借金があることを告白した。田吾作は額の大きさにたまげたが、町子が一緒になってくれるならその金を払うと約束した。
　その夜、町子はそっと家を抜け出して茂助の家を訪ねた。そして自分は田吾作の親戚などではなく、借金のせいでヤクザに追われているのだが、田吾作が怖気づいたようなので茂助を頼って来たのだと話した。町子が誘うと茂作は大喜びで彼女を抱き、結婚してくれるならその借金は自分が払うといった。
　翌朝。町子がいないので田吾作は家の周りを探した。戻ってきた町子は朝早く起きて近くを散歩していたのだと言い訳した。そこへ東京に行っていた田吾作の息子権太が帰ってきた。彼は婚約者の由香と一緒だった。田吾作は自分達も結婚するのだと町子を紹介した。
　道で茂作と会った田吾作は急に結婚することになったと得意げに話したが、茂助もまた急に結婚することに決まったといった。二人はお互いの相手が誰なのかいぶかしく思ったが、とりあえずその夜二人で一緒に前祝いをすることにした。家に帰った田吾作はそのことを町子に話した。焦った町子が金のことを持ち出しても「明日明日」といってとりあわなかった。彼女が茂助のもとへ行くと彼も同じことを言った。結婚詐欺の二股をかけたことで収拾がつかなくなり、町子は途方に暮れた。
　夜になり、田吾作の家に茂助がやって来た。お互い町子を待っていながら彼女が一向に姿を現さないので、二人は結婚相手などいないのだろうと相手をなじって喧嘩をはじめた。そこへ満子が現れた。二人とも自分が町子と、相手が満子と結婚するのだと思い込んでまた口論をはじめた。満子は東京弁を喋る知らない女の人にここに来るよう言われたとあっけらかんと話した。二人は呆然と顔を見合わせた。その頃権太と由香が風呂場でじゃれあっていた。由香の太股には大きなホクロがあった。