加藤時雨………夏　目　今日子
加藤伸輔………境　　　賢　一
宍戸かなえ……林　田　ちなみ
宍戸敦夫………本　多　菊次朗
エル……………枝　　　　　瑠
団地の主婦……杉　田　浩　子

プロデューサー……池島ゆたか
監　督……後　藤　大　輔
企　画……福　俵　　　満
脚　本……後　藤　大　輔
撮　影……飯　岡　聖　英
編　集……酒　井　正　次
録　音……シネ・キャビン
助監督……堀　　　禎　一
現　像……東映ラボテック

うわべは平穏だが実は危機的な状況にある夫婦がスワッピングという大胆な行為に踏み出す様を描いた愛と笑いの傑作官能編。実力派の後藤大輔監督のもと、新人の夏目今日子とベテラン林田ちなみが大胆にピンクシーンを盛り上げている。
ピンク映画監督の伸輔はビデオを見てオナニーに耽っていた。それは伸輔自身が人妻のかなえと公園で露出プレイをしている姿だった。かなえは裸身を縄で縛られた姿で興奮しながら伸輔に背後から突き立てられた。ビデオを見ていた伸輔がイキそうになったところへ妻の時雨が帰宅した。時雨は彼の慌てた様子を見て「一人でしていたのか？」と悪戯っぽく訊ねた。
伸輔が団地の近くを歩いていると自転車に乗ったかなえが追い越していった。夫の敦夫が彼女を追っていた。かなえは敦夫が勤め先の銀行をクビになり不動産屋のビラ配りの仕事をしているのを知って憤慨していた。彼らの住む団地では不思議な女エルが部屋のチャイムを鳴らし「幸せですか？」と聞いて回っていた。エルの言葉を聞いた時雨は壁に飾られた伸輔との思い出の写真を見つめ考えこんだ。その夜、時雨は伸輔を求めた。二人は一年間もセックスをしていなかった。伸輔のモノが立たないので、時雨は諦めて不機嫌そうに眠りについた。
翌日。仕事が休みなので寝続ける時雨を残して伸輔は出かけ、階段でかなえと出くわした。かなえは先日のプレイ写真を投稿雑誌に送り、それが掲載されたことを話した。団地の廊下をエルが「幸せですか？」と叫びながら走っている。洗濯をとりこんだ時雨はクロゼットに隠してあったピンクローターでオナニーに耽った。本屋で投稿雑誌の写真を見た敦夫は偶然出あった伸輔に事実を問いただした。ところが敦夫は写っていた女を時雨と勘違いし、「刺激が欲しい」と不満を洩らすかなえを満足させるためにスワップをしてくれないかと持ちかけた。家に戻った敦夫はかなえにそのことを報告し、いきなりズボンを脱いでキッチンで後ろから突きたてた。伸輔は時雨と一緒に風呂に入ってスワップの話をした。時雨は伸輔の頭を壁にぶつけ罵った。もみあう中で伸輔の逸物は勃起するが、時雨が股を開こうとした瞬間に足の痛みを訴えたので萎えてしまった。
翌日。伸輔はスワッピングの話を断ると言うが、時雨の返事は煮え切らない。時雨が痛めた足のことで病院へ行くと、隣のスポーツクラブから出てきた敦夫と偶然会った。二人は近くの店で酒を飲んだ。敦夫が勘違いしたまま投稿雑誌の話をしたので時雨は本屋でその本を見て驚愕した。その頃伸輔の部屋にかなえが訪ねてきた。かなえの大胆な行動に伸輔は焦ったが、結局二人は激しく求めあった。その夜、時雨は伸輔に何か言うことはないかと問い、伸輔が例の話を断ったというので、彼女はかなえに電話して日曜日を楽しみにしていると伝えた。
伸輔は近所で敦夫と会った。敦夫は明日が楽しみだと上機嫌で自分の逸物を見せた。かなえは田舎から送ってきた山芋の差し入れを持って時雨を訪ねた。二人は敵愾心を内に秘めて笑いあった。夜も更けた頃、伸輔は時雨を求めたが彼女は拒んだ。時雨がこれを機会に伸輔と別れ人生をやりなおすと言うので伸輔はショックを受けた。
約束の日曜日。伸輔の家に四人が集まり昼間から酒を飲んだ。かなえが隙を見て伸輔を階段へ誘い出すと、かなえの股間はぐっしょり濡れ、伸輔の言葉責めに悶え狂った。そんな二人をエルが見ていた。伸輔が幸せとは何かと訊ねると、エルは失くしてしまうと幸せじゃなくなるものだと答えた。部屋に残された敦夫と時雨は夫婦とは何なのかを語り合い、やがて寝室へ入った。敦夫のテクニックに時雨は昇りつめていく。伸輔が戻ると服を来た時雨が何事もなかったかのように明るく出迎えた。しかしそれは伸輔の見た幻影だった。
寝室からは敦夫に抱かれる時雨の喘ぎが聞こえてくる。伸輔は頭を抱え耳を塞いだが、やがて意を決して奥のクロゼットに入り込んだ。そして寝室の二人を覗きながら血走った眼でイチモツをしごいた。伸輔に気づいた時雨は背後から敦夫に突かれて高まりながら「イイ？」と呟き続けた。時雨が絶頂を迎えると同時に伸輔の精液が彼女の胸に飛び散った。二人はじっと見つめあった。伸輔はクロゼットの引き戸に手を掛け、そして……。