成人映画を指す言葉で「ピンク映画」と「ロマンポルノ」という二つのものがよく聞かれる。これはどう違うんですか?という質問もまたよくあるのだが、簡単に説明すると「ロマンポルノ」はメジャーの映画会社、日活が製作していた作品の、いわばブランド名みたいなもので、それ以外のやや小規模な会社が作る成人映画を「ピンク映画」と呼ぶ。
数々のスターを生んできたロマンポルノから巣立った最後の女優といえるのが岸加奈子。
87年『HOT STAFF 快感セックスクリニック』で映画デビューした彼女だが、その後2本の主演作をもって翌88年にロマンポルノは終焉。直後に特撮ヒーロー番組の悪役としてレギュラー出演したりもしていたのだが、以後のメインフィールドにピンク映画の世界を選んだ。
90年代のピンク映画をリードした“四天王”と呼ばれた監督たちの先鋭的な作品に起用され、88〜91年のピンク大賞4年続女優賞というファンからの圧倒的な支持を集めた。良作に恵まれたのも事実だが、フェロモンムンムンのお色気さが売りになっているわけでもなければ、大胆でハードなセックスシーンばかりをこなしてきたわけではない。でありながら、女の性というものを実に生々しく体現する岸加奈子。そんな独特のエロスの匂いに引き込まれること間違いなし。
ピンク映画の歴史を語るに欠かせぬ女優・岸加奈子の魅力を堪能して欲しい。

 


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