仕事も恋も堅実な生活を送るナースの姉智香子。小さな医院で働き医師と不倫を楽しむ自由奔放な妹和香子。智香子はボーイフレンドの啓司にプロポーズされるが、幼いころ自分たちを捨てた父のことを思い出し、返事をためらうのだが…。
　Ｖシネ・一般映画・テレビなど多方面で活躍中の佐々木ユメカ、期待の新人佐々木日記。実の姉妹女優として話題の二人がついに初共演！　結婚、不倫とそれぞれの愛にゆれる姉妹の姿をリリカルに描き出したアダルト青春物語だ。

　　総合病院のナース智香子は恋人で教師をしている啓司とホテルで愛し合った。事後、啓司は唐突に彼女へプロポーズしたが、智香子はなぜか途惑いを感じた様子だった。
　智香子がアパートに帰ると妹の和香子が楽しげにテレビを見ていた。居間には弁当の容器が放ったままで智香子は注意したが、和香子は上の空だった。智香子は母と電話で話したが、プロポーズのことを言いかけて口ごもった。
　和香子は町医者の塚本の医院で働きながら、塚本と不倫をしていた。塚本には最近子供ができて和香子とのデートの約束も忘れがちだった。彼女は不満を感じながらも積極的に塚本を情事に誘った。
　智香子は先輩の美紀に啓司のことを相談した。その夜、和香子と結婚についての話をすると、彼女は結婚願望などないと言った。智香子は不倫ばかりする和香子にやめるよう諭した。そんな時、母からの電話が鳴った。智香子はプロポーズされたことを話し、母はなぜ父と結婚して離婚したのかと問うた。智香子たちの父誠は彼女たちがまだ幼い頃に女を作って出て行ったきりで、その後会ったことはなかった。父について母は多くを語りたがらなかった。その頃、病院では美紀が深夜の病室で患者の高井と愛し合った。お互いに子持ちで離婚歴のある二人は退院後に結婚する約束をしていた。
　数日後。智香子は啓司と会ったが、プロポーズの答えはしなかった。どうやら父親のことが原因で結婚に自信が持てないようだった。
　病院での智香子の様子が変なので、美紀は久しぶりに飲もうかと誘った。一方、和香子と塚本が院内での情事の最中、彼の妻から紙オムツを買ってきて欲しいと電話が入った。和香子は明後日が自分の誕生日だと告げるが、塚本は彼女と過ごすつもりはなかった。
　智香子は父が自分達を捨て他に女を作って家を出て行ったことをずっと心に引きずっていた。母と電話で話しながら、智香子は涙ぐんだ。その後、寝付けずにいる彼女の部屋に和香子が缶ビール片手に現れた。和香子には父親の記憶はほとんどなかった。
　翌日。仕事を終えた和香子が帰ろうとすると、塚本が誕生日おめでとうと言って彼女を抱き寄せた。和香子がそれだけですかと問うと、塚本は押し黙った。

和香子が帰宅すると、智香子と美紀が料理を囲んで酒を飲んでいた。美紀の三歳の息子ヒロもいた。和香子はてっきり自分の誕生パーティーだと思ったが、そうではないと知って思わず泣き出した。 　遊びつかれたヒロと和香子が眠り込むと、美紀は高井との結婚と病室での彼との情事がバレ、クビになったことを智香子に話した。そして智香子のプロポーズの答えはどうしたのかと聞くと、智香子は何も言えなかった。目覚めた和香子も聞き耳を立てていた。 　智香子の病院へ父健治が訪ねてきた。父のことでプロポーズの返事ができないでいると聞いた母が彼に電話をしたのだった。健治は長年智香子のために積み立てた郵便貯金の通帳を彼女に渡そうとしたが、智香子は受け取ろうとしなかった。智香子は自分が好きな人も父のように離れて行ってしまうのではという不安を涙ながらに告白した。健治は幼い頃智香子と和香子が描いた両親の絵を取り出し、君達のことを忘れたことなどなかったと言った。健治が帰ろうとすると、智香子は側に転がっていたボールを見つけ、幼い頃砂浜でボール遊びをした時のように、健治に向かってボールを投げた。健治はそれをキャッチし投げ返した。智香子はボールを追わずそのまま健治を見つめた。その顔が一瞬微笑んだように見えた。健治もまた淋しげに微笑みを返し、去って行った。 　智香子は無性に啓司と会いたくなり彼を呼び出し、あうなり抱きついた。和香子は街中で家族と歩く塚本の姿を見て全てが吹っ切れ、病院をやめて一人暮らしすることを決めた。智香子は啓司に、いつまでも一緒にいようと告げた。公園で二人はキャッチボールをした。智香子の表情にはもはや暗いかげはなかった。

監督・脚本…佐　藤　　　吏 企　画………福　俵　　　満 撮　影………長谷川　卓　也 音　楽………大　場　一　魅 編　集………酒　井　正　次 助監督………田　中　康　文 録　音………シネ・キャビン スチール……津　田　一　郎 現　像………東映ラボテック

中村智香子……佐々木　ユメカ 中村和香子……佐々木　日　記 前田美紀………紺　野　美　如 横田啓司………松　田　信　吾 塚本一樹………本　多　菊次朗 高井　誠………新　納　敏　正 松下健治………なかみつせいじ