私立探偵の亜門はヤクザ者の青柳から妻由紀子の浮気調査を依頼される。青柳は事故で下半身の自由がきかなかった。亜門は由紀子の不倫の事実を突き止めるが、復讐を恐れた彼女は夫の前から姿を消す。数ヶ月後、亜門と由紀子は意外な形で再会するが…。
　好評の人妻浮気調査シリーズ第四弾。今回はＡＶ界のスター岡崎美女（みお）をヒロインに迎え、裏社会に生きる人妻の愛欲をスリリングなタッチで描く。他に酒井あずさ、林由美香らが共演。

　浮気調査専門の私立探偵園辺亜門は酒浸りで事務所件住居の一室に引きこもっていた。愛人の晶子が訪れ、セックスしてから愚痴をこぼすように諭した。ようやく彼は仕事の電話を取った。
　依頼主は青龍興行会長の青柳だった。青柳はヤミ金融の世界で急激にのし上がった男で、新婚旅行中に事故にあって下半身が不自由だった。彼の腹違いの弟三島は義姉由紀子の貞操に疑いの目を向けてた。その真偽を突き止めて欲しいということだった。亜門は青柳の手下大代に由紀子の携帯電話に盗聴器を仕掛けるよう頼んだ。
　翌日、亜門は外出した由紀子を追った。彼女は男が運転する車に乗り込んで駅からホテルへ向かった。亜門は尾行のためにタクシーを使ったが、運転手の寛子は彼を誘うような言葉を口にした。ホテルの部屋では浮気相手の武井と由紀子が激しく愛し合った。由紀子は青柳といる時も思い出してしまうほど情事に夢中だったが、不能とはいえ彼女を必要としている青柳を捨てるつもりはなかった。盗聴器で二人の会話を聞いていた亜門は溜息を漏らした。
　その夜、亜門の事務所に寛子が訪ねてきた。二人は激しく愛し合うが、その最中にも亜門の脳裏には由紀子の姿が浮かぶのだった。
　一週間後。亜門は青柳に調査報告をした。武井は小さな貿易会社を経営していた。青柳は武井が二度と由紀子に近づかないよう手を打てと三島に命じた。偶然帰宅した由紀子がそれを耳にした。彼女は動揺して出て行こうとしたが、大代が彼女を連れ戻した。青柳が責めると由紀子は目に涙を浮かべ、「しばらく一人にさせて」と嘆願した。青柳は大代に彼女を殴らせた。見かねた亜門は隙を見て大代の股間を蹴りあげ、由紀子を連れ出した。そして車に乗せてしばらく走ったが、由紀子は亜門を罵倒し唾を吐きかけて歩き去った。
　亜門は青柳たちに復讐されることに脅えながら毎日を過ごした。ある日、寛子が訪ねてきた。部屋には晶子がいたので亜門はやけを起こしたように彼女に寛子を妹だと紹介した。二人は亜門に呆れて別れを告げて出て行った。そこへ青柳からの電話が入った。
　青柳は酒に溺れる毎日を送っているようで、亜門が無事でいられたのは由紀子から「あの探偵に何かあったら二度と家には戻らない」と電話があったからだと話した。彼女から離婚届も届いていた。青柳は由紀子を探し出して欲しいと亜門に頼んだ。彼女をただで済ますわけにはいかないと言ったが、内心苦しんでいるようだった。

亜門は青柳の依頼を無視したが、数ヶ月が過ぎたある日、ラブホテルの前で偶然由紀子を目撃した。後から出てきた男に問いただすと、彼女が『かげろう』というデリヘル嬢だと白状した。亜門は彼女を指名し、ホテルで待った。やがて現れた由紀子は亜門を見て驚いたが、ずっと青柳に脅えながら暮らしてきたと話し、折角呼んでくれたのだからと亜門を誘った。由紀子がシャワーを浴びている間に亜門は金を置いて部屋を出た。しかしその夜、亜門の事務所へ由紀子が訪ねてきた。彼女は大代がアパートの近くをうろついていたのを見たと怯えたように話し、亜門の胸に飛び込んだ。亜門は現在の境遇を嘆く彼女を抱きしめ、二人は熱く愛し合った。 　翌日。亜門は青柳を訪ね、由紀子と別れるよう頼んだ。青柳は彼女の居場所を尋ねたが、亜門が話さないので大代に殴らせた。亜門は椅子に縛られ、気を失うほど何度も殴られた。その時、彼の携帯が鳴った。由紀子からだった。電話を切った三島は大代に、青柳を殺して青龍会を乗っ取る計画と、離婚させるために自分が武井を由紀子に近づかせたことを話した。その時、背後に青柳が姿を見せた。 　心配した由紀子は青柳家に来た。玄関を入ると青柳が階段から転落したように倒れ、絶命していた。二階では三島が離婚届を探していた。由紀子はキッチンで縛られた亜門を見つけ縄を解こうとしたが、固く結ばれていたので紐を包丁で切った。逃げようとした二人は三島と大代と鉢合わせになった。怒りに燃えた由紀子は包丁を構えた。大代が拳銃を抜いた。亜門は由紀子から包丁を奪って投げた。それは大代の胸に突き刺さり、三島は一目散に逃げ去った。 　事件の後、亜門のほうから由紀子へ連絡はとらなかった。亜門の元へは晶子が戻ってきた。そこへ寛子も訪ねてきた。晶子と寛子は火花を散らしあうが、やがて３Ｐで激しく燃え上がるのだった。

監　督………橋　口　卓　明 企画・脚本…福　俵　　　満 撮　影………中　尾　正　人 編　集………酒　井　正　次 助監督………佐　藤　　　吏 録　音………シネ・キャビン 現　像………東映ラボテック

園部亜門……伊　藤　　　猛 青柳由紀子…岡　崎　美　女 青柳隆一……新　納　敏　正 宮前晶子……酒　井　あずさ 寛子…………林　　　由美香 三島達朗……江　端　英　久 大代辰巳……稲　葉　凌　一 武井忠司……本　多　菊次朗