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編集者の美佐は人気小説家の孝二と一度だけ関係を結ぶが、その直後に孝二の妻明子は交通事故にあって記憶喪失になる。美佐には小説家志望の順という恋人がいるが、酒に溺れてばかりの彼との関係はギクシャクしている。美佐は再び孝二との関係に溺れていこうとするが……。
小説家と女性編集者の不倫をめぐって起きた思いがけない事件の顛末を描く。深町章監督が自作のシナリオを叙情性豊かに演出した官能作品だ。里見瑤子、若宮弥咲、池谷紗恵らが共演。


小説家の孝二は書きあげた原稿を担当編集者の美佐に渡した。美佐は彼の妻明子の容態を心配していた。明子は自動車事故で記憶喪失になり、自分の名前すら思い出せず、人形を抱いてまるで子供のようだった。そんな明子を見て、二人は言葉も出なかった。美佐は同棲中の恋人順に頼まれ、彼が書いた小説を孝二に読んでもらったが、彼は若い人の書いたものにあれこれ言うのは好きではないと、優しく原稿を返した。美佐は意地になって原稿を書く順とは毎日喧嘩ばかりだと話した。
その夜、食事の支度をした孝二は明子を呼ぶが、彼女は部屋の隅でうずくまるばかりだった。孝二が君は僕の夫だと言っても、明子には理解できなかった。孝二は風呂で明子の背中を流してやった。無邪気な笑みを見せる彼女を見ながら孝二は表情を曇らせた。そして、孝二は明子を抱いた。だが彼女は無反応で、孝二はやけをおこしたように腰を振るのだった。
美佐が帰宅すると順が酒に酔いながら原稿を書いていた。順は美佐を押し倒して荒々しく抱いた。されるがままの美佐だったが、やがてのぼりつめた。事後、美佐は孝二から原稿を返されたことを話した。順はあんな通俗作家に頼ったのが間違いだと強がり、孝二の家に行く時の美佐は楽しそうだと彼への嫉妬を口にした。さらに肉体を求めたが美沙は拒絶した。小説が売れたらいつでも喜んで抱かれるのだろうと順は冷たく言い放った。美佐はあなたの小説が売れたらすぐに別れると言った。順は美佐の頬を叩いた。
それ以来美佐は家に帰らず、友達の家に泊まった。孝二のもとを訪れた彼女は、今日は泊まるところがないと言った。だが孝二は返事をしなかった。一度だけ二人は関係を持ったことがあった。何も言わぬ孝二に美佐が更に迫ったが、孝二は明子が自分達の関係に気づいていたらしいと話した。その直後に彼女は事故に遭い、お腹にいた子も流産したのだった。
書斎で机に向っていた孝二は執筆に集中できず、明子の部屋を訪れると、あの時のあてつけで芝居をしているのではないかと問いただした。明子は怯えた表情で孝二を見た。孝二はいたたまれず、部屋を飛び出した。すると明子のうめき声が聞こえてきた。部屋に戻ると明子がカミソリで手首を切っていた。孝二はシーツを裂いて止血し、彼女が眠りにつくと精神病院へ電話した。
美佐が帰宅するとベッドには順と見知らぬ女美香がいた。順はデリヘル嬢の美香を呼び、美佐のいぬ間に快楽を貪っていたのだった。美佐が責めると順は開き直り、逆に冷たい言葉を浴びせた。美佐は体を震わせながら順を見つめ、やがて部屋を出た。二人のやりとりを見ていた美香はまるで関心のないようにお金を払ってと順にせがんだ。
翌日。美佐は孝二に順との一件を話し、涙を流しながら彼の胸に飛び込んだ。二人は唇を重ねた。孝二は明子を入院させたことを話し、これからのことを考えるために温泉にでも行かないかと誘った。二人はそのまま熱く愛し合った。
孝二に送られて美佐は家に帰ってきた。これからずっと一緒なはずなのに、彼と離れることが辛く、孝二の胸に顔を埋めた。明日の約束をして二人は別れた。 翌朝、美佐は荷物をまとめ、順への手紙を置いて部屋を出ようとした。その時、酔った順が戻ってきた。彼は出て行こうとする美佐を必死でとめようとしたが、美佐の気持ちは変わらなかった。動転した順は包丁を手にして美佐の背中を刺した。美佐は血を流しながら「あなた、どうしてそんな甘えん坊になっちゃったの」と呟いた。
駅のホームでは孝二が一人待ち続けていた。部屋で倒れている美佐の荷物の中で携帯電話の着信音が鳴った。それでも、孝二は待っていた…。






監 督………深 町   章
企 画………福 俵   満
脚 本………深 町   章
撮 影………長谷川 卓 也
編 集………酒 井 正 次
助監督………佐 藤   吏
録 音………シネ・キャビン
現 像………東映ラボテック
スチール……津 田 一 郎

三船美佐……里 見 瑤 子
柿沢明子……若 宮 弥 咲
市原美香……池 谷 紗 恵
倉田 順……高 橋   剛
柿沢孝二……なかみつせいじ

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