女遊びが興じて多額の借金を抱えた作家の鳩胸は、高利貸しの鮫肌から自分の愛人を家に預かってもらえたら借金を棒引きにしてもいいと持ちかけられる。広子というその女に欲情した鳩胸はなんとか妻の目を盗んでものにしようと機会を窺がうが…。
　女好きの老作家と妻、そして知人の愛人がひとつ屋根の下で繰り広げるコミカルで奇妙な三角関係。岡輝男の脚本をベテラン深町章が軽妙に演出した必見の艶笑ポルノだ。

　好色な作家の鳩胸は愛人の品子との浮気現場を妻房江に見つかり、財布を握られてしまった。女遊びの激しさから高利貸しの鮫肌に多額の借金をしていたが、返すあてもないのに鳩胸はさらに借金を申し入れた。鮫肌はせめて今までの利子だけでも返してもらわなくてはならない。さもなければ代わりに自分の愛人を鳩胸の家に置いてもらえないかと持ちかけた。月々五十万円分の返済に相当するという条件で鳩胸は渋々ひきうけた。
　翌日。鳩胸家に鮫肌が愛人の広子を連れてやって来た。彼女が想像以上に若くて美人だったので鳩胸は驚いた。鮫肌は鳩胸が広子に手を出さぬよう、もし二人の間に不義があった場合は十日分の利子を別に支払うという契約書を差し出した。鳩胸は彼の挑戦を受けてたった。
　広子はまるで鮫肌を挑戦するような仕草で書生として家の手伝いをした。さらに広子は山盛りのご飯をガツガツと食べた。その食べっぷりに二人は唖然とした。夜も更けた頃、房江が風呂に入った隙に、鳩胸は広子に迫った。しかし彼女は鮫肌に対する義理が立たないと、頑なに鳩胸を拒んだ。
　数日後。房江が留守だと聞きつけた鮫肌が広子に会いに来た。彼は広子の肉体を縛りあげサディスティックに責めた。そんな二人の恥戯を覗き見て鳩胸は驚いた。

房江が同窓会で一泊旅行に出かけた。鳩胸はこの機会に広子を誘惑しようと企んだ。広子は幼い頃から義父に性的な悪戯をされ、高校卒業した頃に母に知られ家を追い出された。そんな時に鮫肌と知り合ったのだと話した。鳩胸は自分の愛人にならないかと誘うが、広子はやはり鮫肌を気にして抵抗した。そんな彼女もいつしか鳩胸の強引さに負けて体を開いた。広子は抜群の名器の持ち主で、二人は激しい快感に溺れた。 　ところが、その夜のことはすぐに鮫肌にバレ、鳩胸は約束通り十日分の利子を払う羽目になった。彼は密告した広子への怒りに震えるが、彼女の無邪気な表情を見るとどうすることもできなかった。鳩胸は借金を完済してなんとしても広子を手に入れようと仕事に励んだ。 　そんな中、鮫肌が「また契約が破られた」とやってきた。なんと夫婦生活がご無沙汰で欲求不満の房江が広子と関係を結んだというのだ。鳩胸はまたもや鮫肌に金を払った。そして房江に二度とそんなことはさせまいと、夫婦生活にも励んだ。 　十ヶ月後。鳩胸の必死の努力で借金は予定よりも早く完済した。彼は広子を譲ってもらえないかと、思い切って鮫肌に申し出た。鮫肌は相当の金額を提示してくるが、鳩胸はあっさりと小切手を渡し、話はついた。十ヶ月我慢した思いをぶちまけるように、鳩胸は激しく広子を求めた。 　そして一年後。鳩胸は房江と別れ広子と結婚した。彼女はすぐに双子を出産し、また新しい子を宿した。妊娠中更に食欲旺盛になった広子とその血を受け継いだ子供の食費のために、鳩胸はまた鮫肌から金を借りる羽目になった。そんな彼の苦労も知らず、無邪気に微笑む広子の姿があった。

監　督………深　町　　　章 企　画………福　俵　　　満 脚　本………岡　　　輝　男 撮　影………飯　岡　聖　英 編　集………酒　井　正　次 録　音………シネ・キャビン 助監督………佐　藤　　　吏 現　像………東　映　化　学 スチール……津　田　一　郎

鳩胸富造……久　保　新　二 富士額広子…里　見　瑤　子 鮫肌吾郎……かわさきひろゆき 鳩胸房江……佐　倉　　　萌 柳腰品子……金　井　悦　子