興信所を営む亜門の元へ元恋人の久美から夫の浮気調査依頼が舞い込む。久美の夫は亜門の親友で、刑事の賀川。調査を進めるうち、悪質な詐欺事件をめぐる意外な真実が明らかに…。
　私立探偵園辺亜門シリーズ第三弾。亜門の過去をめぐって複雑に絡み合う情痴の世界を描いたハードボイルド・タッチの一篇。ゆき、奈賀毬子、工藤翔子らが淫らに共演。

　浮気調査専門の私立探偵亜門は最近仕事も少なく暇を持て余しぎみだった。恋人のホステス晶子は自分で店を始めようと思うので手伝って欲しいと言うが、亜門にはそんな気はなかった。そこへ久しぶりの仕事の依頼が舞い込んだ。
　依頼主は亜門が以前付き合っていた久美だった。五年前、警官だった亜門は署内の腐敗に嫌気がさして職を辞し、恋人だった久美とも別れた。その後、久美は亜門の同僚だった賀川と結婚した。賀川は亜門が久美と別れたことに負い目を感じながらも彼女との結婚に踏み切ったのだった。幸せな結婚生活を続けていた二人だったが、久美は最近賀川が浮気をしているのではと疑っていた。彼女の依頼とは賀川の浮気調査だった。
　亜門は複雑な思いを抱きながら調査を開始した。賀川はさやかという若い女と密会していた。報告を受けた久美はショックを受け、問い詰めたが、賀川は真実を話そうとはしなかった。
　一方、さやかは冴えない中年男江藤と体を重ねていた。彼女は二人の結婚生活のために自分の会社のファンドに投資するよう勧めた。彼女の気持ちを喜びながらも、今の江藤には三百万という金を用意するのは難しかった。
　家出を決意した久美は亜門のもとへ転がり込んだ。そこへ晶子が訪ねてきた。晶子は嫉妬し、挑発的な態度を取った。

久美が家出して以来、賀川は部屋に帰っていなかった。それを聞いた久美は涙を流しながら、本当は亜門と結婚したかった、今の彼との生活が居心地よいものになっていると言った。その夜、二人はかつて愛し合った時間を思い出し、互いに意識し合って眠れなかったが、関係を持つことはなかった。 　亜門はさやかの尾行を開始し、彼女が江藤と会っているのを見て驚いた。江藤は亜門や賀川の大学時代の友人で、今も大学に残って研究を続けている学者肌の男だった。江藤はさやかに約束の三百万を渡しラブホテルへ入った。その後も尾行を続けた亜門は、彼女が勤めるアセントビジネス研究所という怪しげな会社にたどり着いた。 さやかは社長の松阪に金を手に入れた報告をし、二人はその場でセックスした。亜門が玄関の外で様子を伺っていると、賀川が現れた。色仕掛けで寂しい男達から金を巻き上げる悪質なやり口のこの会社を調査していた賀川は江藤とさやかの関係を知り、彼を救うために証拠を掴もうと家庭も顧みずに調査を続けていたのだった。彼は全てカタがついたら久美に話そうと思っていたのだと話した。 　亜門は久美に真実を話した。一方、江藤の元には借金取りが押し寄せ、さやかは冷たく別れを告げた。彼はそのショックから自殺を計った。 　亜門と賀川はさやかを呼び出し、彼女への想いを綴った江藤の遺書を見せた。さやかは仕事のために仕方なかったと泣いて詫びた。二人は警察の捜査に協力して欲しいとさやかに頼み、江藤が入院している病院の地図を渡した。江藤は生きていた。 　その後松阪は詐欺容疑で逮捕された。亜門は「俺のことは忘れろ」と久美を家に帰した。賀川は自室で亜門の調査報告書を見つけてしまった。だが、彼は何も言わずに久美を優しく迎え入れ、その夜、二人は深く愛し合った。亜門はまたいつもの生活に戻り、晶子とのセックスに燃えるのだった。

監　督………橋　口　卓　明 企　画………福　俵　　　満 脚　本………五　代　暁　子 撮　影………田　宮　健　彦 照　明………小　川　　　満 編　集………酒　井　正　次 録　音………シネ・キャビン 助監督………佐　藤　　　吏 現　像………東　映　化　学

園辺亜門……伊　藤　　　猛 賀川久美……ゆ　　　　　き さやか………奈　賀　毬　子 宮前晶子……工　藤　翔　子 賀川…………ささき　まこと 江藤…………なかみつせいじ 松阪…………田　嶋　謙　一