医師の森山は妻との離婚問題や医療ミスに悩みながら看護婦の優子との関係を続けていた。しかし事故で優子を殺してしまった事で、森山はすべてを捨てる決意をする。死体を海に沈めた森山は新たに新人看護婦由美子との関係に溺れ…。
夜の診察室で密かに愛し合う白衣の天使と医師の奔放なセックス・ライフを中心に、ある事件を機に人生から転落していく男の生き様を描いた官能のドラマ。横浜ゆき、林田ちなみ、奈賀毬子、長曽我部蓉子ら豪華女優陣が競演。

　医師の森山は、彼が手術を担当した田崎が息を引き取ったことに強い責任を感じていた。陽性の腫瘍をガンと誤診したことが原因だった。新人看護婦の亜由美も田崎が亡くなったことにショックを受けた。
　森山は看護婦の優子と関係を持っていた。その夜、優子は森山の待つ仮眠室に入り込み、体を重ねた。森山は妻と離婚しようとしていたが、慰謝料や娘の親権の問題で進展せずにいた。優子は「絶対にあきらめない」と森山を激しく求めた。
　亜由美の同僚のミキと医師の飯田も肉体関係にあった。その夜、飯田は見回りに出たミキを診察室に誘い、白衣を脱がせ背後から荒々しく抱いた。
　森山は妻・慶子と会った。慶子は興信所に頼んだ森山の素行調査で彼と優子の関係を知り、娘は絶対に渡さないと冷たく言い放った。その夜、森山は大学の先輩・竹村と酒を飲んだ。竹村は暗い表情の森山を見て、昔のように海に潜って嫌なことを忘れたらどうだと話した。そこへ優子から森山の携帯に電話が入り、竹村は「同じことの繰り返し」だなと苦笑した。

森山は車で優子を迎えに行き、マンションで体を重ねた。優子は慶子との話を聞き、彼と結婚出来る嬉しさから彼の背中を抱きしめた。森山は何を思ったのか、優子が部屋に飾ったドライフラワーをむしり取った。やめさせようとした優子は森山に突き飛ばされ、後頭部をテーブルにぶつけてぐったりと動かなくなった。森山は警察には届けず、大きなキャリーバッグに死体を詰め、海の底へ沈めた。 　二週間後。森山は病院を無断欠勤したまま、何かがふっ切れたように晴れ晴れした表情で繁華街を歩いていた。通りかかった仕事帰りの亜由美が彼に声を掛けた。二人はレストランで食事をし、以前に話題になった人間の運命について話をした。森山は近くのビジネスホテルに泊っていることを教え、亜由美と別れた。だが亜由美は彼の言葉が何となく気にかかり、彼のホテルへと足を向けた。二人は自然と求め合った。果てしなく続いたセックスの後、森山は優子が事故で死んだ事を告白した。 　森山と亜由美は海に行った。森山は「もう医者はやめた」と言うと沖合いへと泳ぎ出した。二人はクルーザーのデッキ上で愛し合った。 　病院に戻った亜由美は海岸でバッグに詰められた女性の死体が発見されたという新聞記事を読み、病院を飛び出し森山のホテルを訪ねた。亜由美が「会いたくなった」と彼に抱きつき、二人は愛し合った。夕方、一人になった森山はテレビでバッグ詰めの女性死体発見のニュースを知った。買い物に出た亜由美が部屋に戻ると、森山の姿はなかった。その頃、森山は服を着たまま海に入り、沖へと向かってどんどん泳ぎ始めた。やがて彼の姿が波間に消えた。 　警察の取調室。海に行った時、自殺は人間に残された最後の自由だと森山は亜由美に言い、「俺は最低だ」とも呟いた。刑事の取調べに応じる亜由美は涙ぐみながらそう語った。