話が前後してしまったが、90年11月15日には『くやしいけど腰が抜けちゃった』をリリースしている。
この作品は光源氏監督の撮ったドキュメントタッチの本番路線。
平安貴族になりきった光源氏とのコミカルながらも激しい本番シーンが見所になっている。
続く12月25日には『我が輩は猫である』翌年の1月25日に『すすってください』をリリースしている。
この2作は麻魔羅少将監督による作品である。
麻魔羅監督は、その名前からも分かるように麻原彰晃を意識したスタイルで登場するイロモノ監督である。
今では、すっかりヤバネタになってしまったが、90年当時のオウム真理教は選挙にも出馬。
街角では麻原彰晃のはりぼて仮面をかぶったオウム信者が選挙演説を繰り広げ、どちらかというとマヌケな印象しかなかった。
村西監督とのガチンコ本番もよかったが、こういったきわもの監督を相手にして、ますます彼女のスター性に磨きがかかったのだ。
2月15日になると『新説・痴人の愛』がリリースされた。
桜樹ルイのダイヤモンド映像における実質上のラスト・ビデオである。
このビデオは『伊豆の踊り子』と同様にダイヤモンド映像の文芸路線ではあったものの、ドキュメントタッチで撮られている。
老人とセックスをテーマにして、相手役の男優は70歳を超えたオジイさんだった。
さすがの桜樹ルイも、少々面食らったような顔をしていたが、最後までよくがんばり、やり抜いた。
その後、前出のVIPへの電撃移籍事件が勃発し、ダイヤモンド映像からは7本のビデオをリリース(実質6本)して桜樹ルイは去っていったのである。
ちなみに3月22日にはVIPより『金閣寺2』がリリースされて未だに桜樹ルイの最高傑作と呼ばれている。
この作品を監督した鬼沢修二監督は復帰作『不死鳥ふたたび』も手掛け、桜樹ルイにも全幅の信頼を寄せているようである。
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