プライベートセックスは特例を与えられ、援助交際を始め、ドライなセックス観を持った卑弥呼は意外にハメ撮りで魅力を出した。

 こういうタイプの女の子ならば、大勢のスタッフがいる前でのセックスなど、平気そうだが、逆に淡々としたカラミに見えてしまうウィークポイントがあった。
 5作目の『とにもかくにもいっぱいください、極楽棒を!! 』を担当した沢城昭彦監督は、そのクセを逸早く見抜いていた。
 個室で恋人気分の本番撮影をすると、リラックスした卑弥呼は人前以上に艶っぽく、また激しい喘ぎっぷりを披露したのだ。
 桜樹ルイや田中露央沙が、撮影スタッフを前にしてこそ、その魅力を発揮したのと対称的なタイプであった。
 デビューから、1年近く経過すれば、卑弥呼もAVの出演のしかたを身に付けたらしく、淡々とした印象は影を潜めていたものの、今度はダイヤモンド映像自体が危険な状況にあった。
 裏舞台では、ギャラ問題で村西とおると卑弥呼が険悪になっており、その間で日比野正明は悩んでいたといわれている。




よく卑弥呼と日比野正明は恋人関係にあったと言われているが、事実はそうでもなかったらしい。


   前記のように、卑弥呼には、どういう関係か不明ながら貢いでいる男性がいた。
 日比野氏は惚れた弱みで、卑弥呼を連れてダイヤモンド映像を離れるという形をとった。すでに事実上の倒産は決まっていたという。その後、日比野氏はプロダクションを設立したが、その事実上の社長は卑弥呼であったという。
 しばらくすると、クリスタル映像から卑弥呼の復帰作がリリースされる。
 ダイヤモンド映像時代の抜群のプロポーションは保たれていたが、当時より痩せて迫力は失っていた。
 かつての栄光時代を知る者にとっては、いささか物悲しい復帰作としか写らなかった。
 デビュー当時も謎の美女であったが、その後も、実体を見せないまま卑弥呼は去った。永遠に謎の美女なのである。

TEXT BY 文鳥ヨシト