◆ 物語 ◆ 「影Shadow 其の壱 闇の掟」

 時は幕末。
長年続いた太平の世に本来の存在意義を失った忍達は、なおも用心棒や暗殺者として、闇の世界に身を潜めていた。女忍、華龍もその一人である。卓越した体術、高度な技術、艶めかしい滑らかな肌、たおやかな曲線を持つ肢体…己が肉体に宿りし全てを駆使し、華龍は任務を完遂していく。

 ある夜、とある商家の主人の暗殺に赴いた華龍は、寝屋に侵入し任務を遂行しようとする。しかし、主人の慰みものにされている下女によって任務を邪魔され、あまつさえ標的まで殺されてしまった。下女の正体もまた暗殺を請け負う女忍=鴉逗女だったのだ。華龍と鴉逗女…対極に位置する二人の優れた忍の戦いが、今始まる!