◆登場人物◆
華龍(かりゅう 女 齢23)
幕末の江戸に生きる女忍び。無口で冷静沈着。責任感が強く、あらゆる忍び術に通じ、類まれな能力を持つ。かつて一家全員を何者かに惨殺されるという過去を持ち、その時見た腕に傷のある男を決して忘れない。
鴉逗女(うずめ 女 齢18)
華龍を付けねらう謎の女忍び。忍びとしての天才的素質と、怪しいばかりの妖艶さを持った女。その異様なまでの美しさの奥に恐るべき残酷さを秘めている。血を見ると異常なまでに殺意が芽生え、躊躇なく人を殺す。
儀助(ぎすけ 男 齢27)
標的の返り血を全身に浴びて帰ってきた鵜逗女の体を黙々と洗う。鴉逗女と一緒に住んでいるが、その関係は謎である
葵(あおい 女 年齢不詳)
華龍が属する忍び組織の頭領。老いた老婆だがその手腕は並外れている。泰平の世、忍びの生き残り策として刺客業を営む。用心深く、いつも屋敷内の奥におり命令を伝えるだけで、その姿を見たものは殆どない。
乙(きのと 女 齢8)
葵の屋敷に住み暮らす少女。無口でやや大人びた言動をする。まだ子供だが、忍びとしての才覚は徐々に現し始めている。華龍が殆んど親代わりにめんどうを見ており、乙自身も華龍を深く信頼し、また慕ってもいる。
菊花(きっか 女 齢15)
西欧文明に感化され、いち早く洋装を取り入れている。明るく天真爛漫で乙の遊び友達。だが、どちらかというと菊花の方が精神年齢は低い。華龍に憧れ、いつか自分も忍びになれたらと思っている。だが修行は嫌いらしい。
彩貴(さき 女 齢20)
葵屋敷に奉公している女。物静かで必要以外のことはしゃべらない。普段は客の取次ぎ、家事一般を執り行っている。男好きのするタイプで、孫六に弄ばれることも。
孫六(まごろく 男 齢40)
葵の元に刺客の仕事を持ち込む仲介役の男。目つきがするどく、陰気で怪しい雰囲気を持った男である。いつも物売り姿をしているが、その身のこなしはすばやく、ただものではないことを示している。元は忍びらしいが・・・