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クララ/幸子……橋 本 杏 子
阿部 定……石 川 恵 美
知 佳………林 由 美 香
母イネ………岸 加 奈 子
キャッシー…アイリーン
橋本 鉄……久 保 新 二
父貫平………清 水 大 敬
宮滝骸骨……平 賀 勘 一
ジョージ……快楽亭ブラック

監 督………深 町   章
脚 本………瀬 々 敬 久
撮 影………稲 吉 雅 志
照 明………渡 波 洋 行
編 集………酒 井 正 次

鬼才瀬々敬久の脚本を深町章が監督したこの作品は、好色男の波乱の一代を描く壮大な色情編。新東宝映画が創立三十周年を記念して1993年に製作した淫乱大作。
『ニッポンの猥褻―我が半性 性学者橋本鉄』。これは現在八十七識の鉄が、現在執筆中の原稿の題名である。彼が性に目覚めたのは明治天皇の崩御の年、大正元年で六歳のときだった。このとき乃本大将夫妻が天皇の後を追って殉死した話は有名である。それを知った鉄の両親である寛平とイネも殉死を決意した。そしてこの世の名残に二人は抱き合ったが、これまで味わったことのない快感だったので生きている喜びを改めて噛みしめた。だから、殉死は取りやめ。それを襖の隙間から覗いていたのが六歳の鉄。両親のセックスを初めて見た彼はオナニーをして快感を覚えたのだ。

それからは日に二回はオナューを楽しむようになってしまった。彼は十七歳になっていた。その頃彼の家には骸骨先生という奇妙な男が出入りしていた。彼は新聞や風俗史の雑誌を発行するほか春本の復刻版を出し、その度に発禁処分を受けている。彼はイザナギ、イザナミの命(みこと)が初めてセックスしたことから目本の国土が生まれたが、セックスの方法が分からないので鳥の交合を真似た。その体位は背向位だった、という話を鉄に聞かせた。そして骸骨は鉄に好きな体位を尋ねたが、オナニー専門の鉄には答えようがない。  そこで骸骨は鉄に初体験をさせるために、当時有名だった浅草十二階下の私娼窟へ連れていった。骸骨は鉄にクララという女を当てがい、自分は隣室へ入った。鉄は初めての本番なので勝手が違ったが、クララに求められてインサートしようとして、骸骨から間いたように後ろからの突入を試みた。クララはそれを正常位に導いた。導かれた鉄はアッという間に発射してしまった。

そのとき、突然隣室から激しい物音と怒声が起こった。骸骨が飛びこんできた憲兵に風俗壊乱罪で逮捕されたのだ。クララは憲兵の前に立ちはだかって大声で抗議したが、骸骨が連れ去られると廊下に泣き崩れた。鉄はその姿を見ていとしいと思った。彼の初恋だった。そして大正十二年の夏、あの関東大震災が起こった。一週間後、鉄は十二階下の私娼窟を訪れたが、あたり一面の焼野原で、クララを探すことができなかった。十七歳の彼の初恋はこうして終わってしまった。

日本は国際連盟を脱退し、次第に軍国主義になっていく。二・二六事件という軍人の反乱事件もあった。そして不景気。そんなある日、三十歳の彼は、待合の一室で抱いた女を帰してから股火鉢をして暖をとっていた。そこへ部屋を間違えた風変わりな女が入ってきた。女と見れば見境なく抱いていた彼はこの女にも気を引かれた。女も体を求めたので二人は寝たが、彼女は彼の立派なイチモツに噛みついた。二人はお互に首を締めてアソコを刺激し、彼が降参するまで責め立てられた。

女中の連れの男が来たという知らせに、女は待ちかねたように部屋を飛び出していった。女の名は安部定。男は吉蔵。愛人の吉蔵を情事の末に殺し、イチモツを切り落として大事に待って逃走した「安部定事件」の主人公たちだった。やがて日本は太平洋戦争に突入する。鉄は軽い病気で兵役を免れたが、彼を尊敬している梶山少尉が戦地にゆくので挨拶にきた。帰ろうとする彼を呼び止めた鉄は、ズボンを脱がすとアヌスにイチモツを突き立てた。そのころの女性は銃後を守る使命に燃えていたので、男に体を許す者など居なかったからである。女に不自由しているので、鉄は男で間に合わせたのだ。戦争は日本の敗北でおわり、一年が経った。鉄の家には「性愛相談所 性学者橋本鉄」の看板が掲げてある。相談に来る男女には目の前でセックスさせ、その体位やテクニックを詳細に観察して淫乱症とか不感症などと判定していた。時には自分も中に入って3Pを演じるのも度々のことであった。

その後、静かな田舎に引っ越した彼は初恋の女クララとそっくりの女幸子と合って同棲をはじめ、幸子はやがて知佳を出産した。死の間際に幸子は幾人もの男と寝たから知佳は誰の子か分からないと言い残した。そして今、知佳は鉄が眠っているので書きかけの原稿を読んで出生の秘密を知り涙を浮かべていた。やがて目を覚ました八十七歳の鉄は、ワイセツの究極の手段として禁断の果実である知佳を裸にして抱きしめた。鉄はこれを著作『ニッポンの猥褻』の結末にしようと決めたのだった。
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